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leading edge of science 1/25付アメリカ公共放送(PBS)より

2017年01月29日

leading edgeとは最前線、最先端のことですが…

目を疑って何度も見てしまったのが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)治療にMDMAを使用する臨床研究が進んでいるというニュースでした。あくまでも心理療法に併せてMDMAを服用するという併用治療のお話なのですが…。アメリカにおけるMDMA(俗にいうエクスタシー)の扱いは知りませんが、日本では規制薬物です。

精神科医やサイコセラピストの管理のもとMDMAを適量・適切に併用すれば、PTSDの症状改善に「迅速で著しい効果」があると唱えている専門家たちや、実際に服用した被験者である患者の様子を報じていました。戦闘帰還兵など、重篤なPTSDやうつ病の患者に効果が高いようです。

作用機序としては、脳のおよそ中央に位置するamygdara(扁桃体:一つには、悲しみ、恐怖、不安などの情動を司る)の過活動を抑制し、prefrontal cortex(前頭前皮質:行動、計画、判断などをする)の活動を活性化させ、自分の体験を言語化したり、社会的行動ができるようにするのだそうです。

果たしてこの薬(麻薬)が流通するようになるのか?同じことを心理療法でする場合、ある程度の時間とお金がかかるので、ともすれば薬物療法だけに流れていかないのか?一体、人は薬(合成化学物質)によって管理されることをどこまで許していいのか。心の問題が究極的に脳の問題に置き換えられていってしまうのか。これから様々な問題が生じてくると思うので、関心をもっていたいと思います。

八重のトルコ桔梗

 

 


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