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比較するということ

2026年04月22日

今、自尊感情(self-esteem)とセルフ・コンパッション(self-compassion、自分への思いやり、慈悲)について、あれやこれや考えを巡らせています。

自尊感情というのは、自分にとって価値があると思っている領域において、「達成できている、優秀である、有能であるetc.」と自分のことを肯定的に思える感情です。

若い人と話していると「自分に自信がない」と訴える人が実に多いのですが、その自信の無さとは、この自尊感情にまつわるものがほとんどです。学歴、職歴、お金、顔、容姿、実家の太さ、友人の数、恋愛経験など、比較する領域はぞろぞろと出てきます。

自尊感情はそれ自体悪いものではないようですが、ナルシシズムの問題に発展したり、獲得や達成が思い通りにいかないと、嫉妬や羨望、自己卑下、自暴自棄、無気力などの様々なメンタルの不具合を引き起こします。

優秀なアスリートが強豪校に進学したら上には上がいて戦力外通告をされた、という話はよく聞きます。この時、自分のことを「自尊感情のみ」で規定していると、深い挫折や絶望に襲われてしまうでしょう。

「勝敗、優劣」で私の脳裏をいつもよぎるのは「盛者必衰の理をあらはす…」というあの平家物語です。高校の時に学んで考え込んでしまいましたが、優劣というのは、人と比較する場合のみならず、過去と現在の自分を比較することもあまり効果的ではないのかもしれないと思いました。上がり調子のときはいいですが、人間常にそうであることは不可能です。

一方、コンパッションが志向するところは、「思いやりと慈悲に満ちた、人と人とのつながり」になります。この「人と人」というところですが、自分と他者だけでなく、自分が自分に思いやりの姿勢を向けられるかどうかが、心の痛みや苦しみから自分を救うことになるとセルフ・コンパッションでは言われています。

 


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