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松谷みよ子さん

2015年03月11日

先日、児童文学作家、民話研究家の松谷みよ子さんが他界されたことを知りました。

子どもの頃、何度も何度も読んだ『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズ。幼い姉妹が日々成長していく様子を綴っているのですが、人間以外の登場人物が出てくるファンタジーの要素も十分ある物語でした。ファンタジーといってもそれは奇想天外、突飛なものなどではなくて、あくまでも子どもたちが日常考えていそうな範囲内のものや、アニミズム的なものであったように記憶しています。
またこの物語は、それまで児童文学ではタブーとされてきた両親の離婚が描かれていました。妹のアカネちゃんがまだ幼少期に両親は離婚してしまいます。どうして別れたのか大人の事情は書かれていなかったかと思いますが、父親以外の3人は別の家へ引っ越していきます。モモちゃんとアカネちゃんとママを乗せた引っ越しの車を、パパが肩を落として寂しそうに見送るシーンの挿絵をよく憶えています。
当時ものすごく悲しくなってしまったけれど、別れというものは時として避けがたく起こりうるものなのだ、ということを衝撃をもって知らされたお話でもありました。松谷みよ子さんの世界は、陽だけでなく陰の部分をしっかり取り上げたものが多いと思います。だからこそあんなに多くの子どもたち、大人たちに読まれ継がれているのでしょうね。
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