2017年03月03日
今日は雛祭り。帰ったら温かい甘酒でも飲みたい、休みにちらし寿司でも作りたい…と思いを巡らせていますが、3月8日は国際女性デーということです。
女性デーに関連してか、ここのところの新聞記事に「女子力」についてのアンケート記事や各界の人からの若い女子たちに向けたメッセージ特集などがあってなかなか面白いのです。
「女子力」というと何だか軽いテーマですが、実はジェンダー(社会的性差)やセックス(生物的性差)に繋がっていくテーマですよね。
各界の人からのメッセージで面白かったのは、現都知事と西原理恵子という漫画家の人のでした。どちらも別に支持していないのですが、記事は説得力の高いものでした。西原氏が「お寿司と指輪は自分で買おう。その方が楽しいよ」とユニークに言っているように、お二方に共通するのは「配偶者に頼り切るのはリスキーだよ。自分の脚で立とう、これからの若い女子たち!」というものです。
2,30代は大なり小なり若さや美しさでちやほやされるもの。そこに甘えないで自分の専門を磨いたり好きなことを極めてオンリーワンになれ、と言っているのは小池都知事。
もっと大胆な西原氏は、「若さやきれいさは20年経てば資産価値ゼロ。女磨きはエステやネイルサロンじゃなくて、人生経験、経済観念、他人への優しさ、仕事のスキル etc.を磨いて自分の資産価値をあげろ」と。
「世界でたった一つの花」は当然すぎてあまり感銘を受けないのですが(むしろ特別でなくて皆フツーでいいのだと思います。親子や夫婦、友人といった関係性においては誰もがオンリーワンでしょうから)。それでも自分の好きなことを極めていくことは大事だと思います。でもそれは誰かと競って「極める」という意味ではなく(全員が全員、専門家になれるわけではないのですから)、情熱を傾けられるかどうか、好きで楽しんでいるのかどうか。好きなこと=仕事とはいかないこともありますし、むしろその方が多いのではないでしょうか。
市場価値で人の価値を測れるとは思いませんが、配偶者に経済的に頼り切るのは危険である、ということは日々の仕事で痛いほど実感しています。
自分の頭で自由に考えて行動し、且つ人と愛し合い助け合いながら生きていくには、経済的精神的両方のほどほどの自立が必要だと思います。ほどほどの、と書いたのは、健全で親密な関係というものは「自立と依存」の両方の面を兼ね備えているからだと私は考えているからです。誰もがいついかなるときも自立できているわけではありませんし(気を付けていても病気などで倒れる場合もあります)、個人の努力だけではどうしようもないこともあるのが人生です。
これまた最近のニュースですが、ヤマトの配達員さんたちが疲弊しきっているとのこと。課された膨大な仕事量と安月給の背景には、何かと Amazon を利用する私たちがいるからなのですが、こういった構造的な社会問題があるなかで「経済的自立が何より大事」とだけ説いて個人の責任に帰しても意味がないでしょう。そういえば巷では女性配達員さんたちも増えてきましたね。一部の階層を除き、女性、男性双方を取り巻く社会全体が急速に変化して厳しくなっていることに無自覚であってはなりません。