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一つの喪の作業?

2025年11月28日

休日にテレビをつけながら台所仕事をしていたら、いつの間にかその番組に釘付けになっていました。

それは町民が携わる盆踊りのドキュメンタリーだったのですが、後で調べたら秋田県羽後町(うごまち)に伝わる「西馬音内(にしもない)盆踊り」というものでした。旧盆の時期に老若男女の町民が3日間かけて静かに踊るものです。踊り手さんたちの出で立ちが美しいというか一種怖いというか、幼い子どもたちは怖がったりしないのかなとも思いましたが、とにかく魅力的で引き込まれるものがありました。

盆踊りは漠然と先祖の慰霊の意味だと思っていましたが、まさにこれは交霊なのだと知らされました。

踊り手の出で立ちの一つは優美な半月型の編み笠を被って顔を隠し、もう一つは黒子のような目の部分だけくり抜かれた黒頭巾を被って踊ります。後者はまるで「カオナシ」のような印象ですが、お盆の時期に還ってきた死者を表すそうです。ちなみにこの死者には、仏教でいうところの第三の眼も頭巾の中央についています。そして編み笠を被った方は生者なのですが、死者と相見えるにあたり顔を曝け出すのを控えるようです。

身内を亡くした時に、仲間のセラピストが「早く立ち直ろうとかしなくていいんだよ。場所や文化が違えば、年単位で喪に服するところもあるんだから」的なことを言ってくれたことがあり、とても救われたことをこの時ふと思い出しました。

毎日毎日多量の情報が飛び交い、現状や未来の不安に抗おうともがき、物価高で生活をやり繰りしつつ、ともすれば愛を見失いそうな生活の中で、もっと地に足をつけて歩を緩めていきたいものだなと思い至りました。

 


柊(ひいらぎ)の花 Holy season has come!

 

 


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