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森田療法が教えてくれるもの

2012年05月21日

金環日食に特別の関心もなく、夜中のバケツをひっくり返したような土砂降りに一瞬目覚め、そのまま睡魔に襲われて…。
今日はとてもいい本を紹介したいと思います。神経症(赤面恐怖、対人恐怖、心気症、心身症、強迫性障害など)の方には、また、人から言われた言葉などがずーっと頭の中に残ってしまう方などに、おすすめの森田療法の本です。

学生時代に森田療法のことを話題にしたら、友人が「あの、怪しいやつ〜?」と言ったことをおぼえています。たぶん、「どこかに入院させられて、ご奉仕活動(掃除や家事)をさせられる療法」とでも思ったのでしょう。よく知れば全く違うし、フロイトと同時期の精神科医、森田正馬によって創始された、日本が誇るべき療法だと思います。
森田療法は日本人の世界観・自然観にしっくりくるものです。この療法のなかで、「自分本位」から「ものごと本位」になりなさい、ということが繰り返し言われています。例えば、人から言われたことにくよくよ繰り返し悩んでいるとしたら、その思いを流しながら(無理に消そうとしない)、目の前の仕事に集中してみる。会議でも、資料作成でも、お皿洗いでも、掃除機がけでも、何にでも工夫しながらやることが大事。あらゆる精神疾患は天災には勝てない、といいますが、今、いきなり地震が起きたとしたら、悩みや問題などはそのときはどこかへ行ってしまいます。まあ、天災は避けられようのないものですが、お皿洗いも天災も目の前の出来事なのです。
神経症は「自分の主観」にとらわれている症状なので、「ものごと本位」になれるとかなり楽に生きることができるようになります。もちろん森田療法の概念はこの限りではありません。また森田正馬自身による著書は言葉遣いが古く難解なのですが、この本はかみ砕いて実生活に役立つように教えてくれています。
どくだみのはな

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