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一つの出来事から

2012年07月12日

東京はとても暑いです。ビルが多くて風が通らないのと、緑が少ないからでしょうか。
さて、最近読み終えたのが、中島岳志という学者さんが書いたある刑事事件を扱った本です。
この事件は4年前になるようですが、世間の耳目を集めている間はこういった類いの事件に関する報道などはあまり見ないようにしています。必然的に目に入ってくるので。
この本が出版されたのは昨年3月。
事件を起こした人物が事件当日に至るまでの過程が、取材や裁判の傍聴を通して書かれています。アジア地域研究の学者が書いているので、ジャーナリスト臭さがなく、事実を淡々と積み重ねていくような印象を受けました。あまり家族やプライベートに踏み込んでいないので、それはそれでいいと思います。
読後は妙に悲しくなりました。今後、このような悲劇を防ぐ手立てはどこにあるのでしょうか。
原因は何かというと生い立ちや人格に帰結されがちですが、色々なことが複雑に絡み合っているのだと思います。
一つ気になったのが、やはり心理学者が書いていないせいか、母のことばかり主に言及されていたことです。母親の子どもへの徹底した侵入(虐待)についてです。しかし…。母の傍らの父はどうであったのでしょう。母と父の関係はいかに。母はどのような思いでいたのか etc.
二人は恋愛結婚です。
私がいつも不思議に思うのが、かつては恋愛結婚で結婚した夫婦なのに、コミュニケーションが機能していないケースが非常に多いことです。夫婦が長い間連れ添ってコミュニケーションが希薄になっていくのではなく、ほぼ最初から何かしら齟齬がある。
恋愛をするのは実は簡単なのだと思います。恋愛は幻想?問題はその後から。
二者関係を築くことこそ、最大の課題なのかもしれません。これは自分も含め、誰にとっても言えることだと思いました。
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aroma

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