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母子像
2013年11月06日
秋深まる上野の森へ、終了間近のミケランジェロ展に足を運んできました。
そろそろミケに会いに行かなくちゃ…と行ってみたら、自筆サインは「Miche langelo Buonarroti」(Michel angelo、ではなくね)とあったので、あながちミケで過ちではなかったのです…。
くだらない話はともかく、企画展としてはハァァ……というもの。美大生や研究者なら面白かったのかもしれませんが、手紙や素描、資料が多くて絵画作品がほとんどない(涙)。素人にはあの連休の人だかりのなかで集中するのは辛かった。
それでも心に残ったのは『階段の聖母』。これはミケランジェロが15才頃の作品で、大理石の板に彫られたものです。
私は聖母子や古今東西の母子像を観ることが好きで、それは宗教的な解釈などはさておき、宗教的な特殊性のなかに人間の母子関係の普遍性が垣間見られたり、それぞれの画家が母子関係をどう捉えて表しているのか、といったことが理由としてあげられます。
この聖母子像は、聖母マリアはうつろな目を階段のほうに投げかけており、幼子イエスの将来を案じているのかもしれない、というような解説がありました。因みにマリアの後方にいる子供たちが何をしているのかは定かではないそうです。カーテンのような布をいじっている?
15才のミケランジェロがこの作品で何を描きたかったのかも興味深いものですが、慈悲に溢れた聖母(母親)像ではないところが面白いなと思います。
もしかしたらこの母は疲れているのかもしれない。お乳を吸う子どものことより別に何か憂うべきことがあるのかもしれない。そのようなことを色々勝手に妄想しながら、母性神話をくずす一枚かもしれないとも思って鑑賞していました。