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『ホフマン物語』

2014年07月06日

久々にオペラを観にいく予定。オッフェンバック作の『ホフマン物語』。好きな作品なのでこれで何度目でしょうか。ホフマン(1776-1822)はドイツ・ロマン派の作家で(特に幻想文学で有名)、ホフマン物語はこの人の小説をモチーフに編まれた作品となっています。
それでホフマン物語がどういう内容なのかというと、一言でいえば、詩人ホフマンが体験する3つ(ないしは4つ)の恋愛の物語。ホフマンが主人公で、酒場で酒に酔ったホフマンが語る過去の恋愛話(しかもどれも悲恋)が展開されていくのです。
一つ目は、深窓の令嬢である若い娘(実は自動人形だった!)への恋。
二つ目は、高級娼婦への恋。ダイヤに目が眩んだ娼婦に、結局は手ひどく裏切られる。
三つ目は、病床に伏す、元歌手の娘への恋。娘は亡き母(歌手)の影響が色濃く、歌っては体に障るのにその誘惑に負け、歌いながら亡くなってしまう。
オペラは演出によって、4幕 or 5幕で演じられ、2つ目の恋愛と3つ目の恋愛が入れ替わったりするようです。詳しい人の話によると、これは1人の女性の3つの側面であるとも読み取れるし(これは結構納得!)、また1人の男性の成長譚でもあるのだといいます。男性の恋愛成長ものだとすると、最初は、外見重視の幼い恋→女性(熟女)に弄ばれる手痛い恋→純愛(されど相手は一卵性母娘?)、といった具合でしょうか?或いは、幼い恋→純愛→危険な恋?まあ、もっと深く丁寧に観ていけば、いろいろ面白く紐解けるでしょうね。
1幕目を観たとき(自動人形への恋)、このお話をどこかで既に観たことがあると思ったのですが、フロイトが『不気味なもの』という論文のなかで詳しく取り上げていたことに気付きました。自動人形への恋は、ホフマンの小説『砂男』から翻案されているのですが、この小説の主人公の男性は去勢不安に駆られた人物であると、フロイトは詳しく面白く分析しています。
さて、今回の演出はどのようなものでしょうか?3人の女性を全て1人の歌手が演じるとのことですし、一体どういうことになるのか楽しみにしています。
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