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共生

2014年07月27日

先々日のブログで書いた不条理劇『ゴドーを待ちながら』の戯曲(フランス語版訳書)を読んでみました。
主人公はホームレスの男性二人で、よく知らないゴドー(救世主)を待っているという内容です。
ある一本の枯れた柳の樹がある場所で、ただ、ただ、あれこれ時間を潰しながら、ひたすら待っているお話。
途中出てくる他の登場人物は、高圧的な男とその奴隷、ゴドーからの伝言を伝える男の子の三人のみ。待っているところから始まり、待っているところで終わる。ゴドーとは神なのか、人なのか、それ以外なのか、よくわからない救世主を待ちながら。
読んでみると、なんというのか閉塞感で息が詰まってきます。何と言っても序破急がなく、同じようなことの繰り返し(多少の変化はあるのですが)。また慌ただしいト書きのために更に息が詰まります。早く読み終わりたい気分に駆られてすぐに読めました。
とはいえ、この作品の醸す閉塞感は強いものの、読後、心にじんわりと沁みてくるものがありました。
ベケット展で示唆されていたことは、主人公二人の「共生」も一つのテーマだということ。絶望的な状況における、自分ともう一人の存在。この二人の掛け合い、この悲喜劇、多くの人の心を揺さぶっているのが多少わかった気がします。
東京駅舎.JPG

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