2019年11月15日
最近の新聞記事に次のようなものがありました。
イギリスのケンブリッジ大学が、「夫婦関係がよくない妻(母親)は、男の赤ちゃんに多く話す傾向がある」ということを調査研究で明らかにし、家族心理学のジャーナルに発表したとありました。女の赤ちゃんに対してはそのような傾向は見られず、一方、夫(父親)の場合は、夫婦関係の良し悪しは赤ちゃんとの会話量に関係はなく、そもそも妻より会話量が少ない、とのことでした。
本来、夫との間で満たされるべきものを、夫と同性の息子への会話で満たすという補償行為は、当然のことを言っているようにも思うのですが、この研究のポイントは「母親の男女の赤ちゃんに対する態度の差」と、夫婦の行動の違いというところでしょうか…。
子どもが成長してきて言葉を話せるようになると性別は関係なくなるように思うのですが、実際のところはどうなのでしょうね。母親が夫や夫側の親族の不満や愚痴を子どもたちにしょっちゅう話す、というのは日々とてもよく聞く話です。同性の女の子にばかり愚痴を話すものだという風に以前は理解していましたが、どうも男の子たちもその役割を担わされているようです。
子どもを愚痴の相手や手っ取り早いカウンセラーにするのはよくありませんが、母親も話す相手が身近にいなくて寂しいのでしょうね。
これは余談ですが、私はいつも下のピカソの絵『聖母子像』を観ると、背筋が少しぞっとします。お母さんの満足そうな表情なのに対し、赤ちゃんはちょっと寂しそうというか、凍ったようというか、母に取り込まれている印象がするのです。