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研修

2012年01月22日

夜間の研修が始まりました。
今回はジクムント・フロイト(無意識の発見、精神分析の創始者)の生育史のような話題が絡
み、彼がいかに、何を、脱構築したか、興味深く聴いていました。
脱構築とはごく平たくいえば、既存の枠組みを壊して再構築をすること、です。
彼は伝統的な精神医学を脱構築して、「患者に自由に話をしてもらい(自由連想)、症状を取
り除く」という技法を生みました。
当時のフロイトが関心を抱いた患者とは、ヒステリー患者のことで(ヒステリーとはキィキィ
ヒィヒィ喚くことではありません)、つまり今で言う、ボーダーラインパーソナリティ(境界性
人格障害、BPD)の人たちに近い、とのことです。病歴を話すうちに、突如失神したり、肢体
や感覚器の麻痺を起こしたりして、煙たがられ、胡散臭がられていた人々でした。
フロイトがどうしてこのような人々に興味を寄せたかは、歴史的に迫害を受け続けてきたユダ
ヤ人であったこと、ユダヤ人であるためにアカデミズムの場で出世できなかったことなどが大
きく影響しているようです。
ヒステリーの人たちをはじめ、社会の周辺に追いやられた人々、秩序の外で生きていかざる
を得ない人たちは、その時代の象徴を症状という形で演じているとありました。
人格障害という言葉は好きではないし多用しませんが、なぜそのような「症状行動」を必要と
するのか考えることは、私たちの時代を考えることに繋がるのだと思いました。
カウンセリングルーム1の窓外
窓外は雨。
最近とても寒いので、頭寒足熱、体を冷やさないようにしましょうね…

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