1. 心理 東京
  2. ブログ 心's LOOM
  3. 生きた語り

生きた語り

2012年03月27日

昨夜はまたまたドキュメンタリーの日。
タイトルは「同日同時刻生中継、被災地の夜」。観られた方も多いのではないでしょうか。3月11日午後9時から放映された生中継番組で、私は2週間後にやっと観ました。一年前の2011年3月11日の同時刻に人々がどのように一夜を過ごしていたのか、家族や個人が5組出演し、交代交代に被災したときに近い場所で当時の体験を語るという、一つのオムニバス作品のような生中継でした。
取材に応じるという勇気ある行動と、極限状態を人々がどのように乗り越えたのか、ということに関心があったので、非常に興味深く観ました。
海岸から15キロ沖(15キロもですよ!)を屋根の上に乗って3-4日漂流した男性、列車の中で集団で夜を明かした女性たち、津波に襲われた病院に入院していた女性と医師、火事やガス爆発の頻発するなかで一つの家に集まった3家族、かろうじて屋上の避難ハシゴに捕まって助かり一夜を明かした男性など、ふだんのニュースからは伝わってこない「生きた語り」でした。
それぞれが家族を目の前で失ったりしながらも、どうして乗り越えられたのか。それは残された人たちで何とか生き抜こうとする強い意思や、失った家族の分を生きたい、生きて誰かに伝えたいという思いがあったからでした。ここぞとなると人は強く、生きる方向に自然と向かうのだなと、そう思いました。むしろ悲しみや不安などの感情はひとまず落ち着いてからやってくるのでしょうね。
ただこの番組、ナレーターの俳優さんがもっと淡々とやってくれればよかったな。別に演じなくてもいいのに…。
白い椿の花

このページの先頭へ