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日本の家族

2012年05月24日

初夏の陽気ですね。事務用品の配達員さんが汗だくでした。
本日は少々忙しいためブログは夜半に更新します。
大木
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さて、遅くなりました。今日も本の紹介です。
ここ2,3日、中根千枝著(1977初版2007)「家族を中心とした人間関係」講談社学術文庫、を読んでいました。これで2回目になりますが、今度は比較的すんなりと頭に入ってきました。
心理学の本ではなく文化人類学の本ですが、家族療法を行ううえで、日本の家族の特質や歴史的変遷などに関心があるので非常に面白く参考になりました。この本は、インド、中国、韓国、東南アジア、アフリカ、西欧、日本といった国々の家族の形態や性質を比較考察しています。
これによると…。
日本の家族はコミュニティーや親類縁者の間でも非常に閉鎖的、排他的で、家はベースキャンプの役割をしているのだそう。ベースキャンプとは、一日を会社や学校などで過ごした疲れた家族構成員が寝に帰り、疲れをとり、翌日の活力を蓄える場所、とのことです。
「うちは地方にあるし、コミュニティーのなかでも付き合いがあるほうだ」と言う人も、諸外国に比べれば明らかにその性質が違うのだとか。例えば、夫婦喧嘩を隣近所の人たちの前で堂々とできるかと言われれば、「恥ずかしくなる」のが日本人とのことです。日本人の対人恐怖症や人の目を非常に気にするところと大いに関係がありますよね。
この本が書かれたのは1977年でそれから35年が経ちますが、果たして日本の家族はどうなっているのでしょうか。自分の住むところに限って言えば、日々の挨拶や町内会は辛うじてあってもコミュニティーはなし、もしや77年とさほど変わらないのでは?と思います。変化しているところはどこだろう…?そんなことを考えながら読むと面白いと思います。


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