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『風立ちぬ』
2013年07月23日
先日は久しぶりに映画館へ。心待ちにしていた宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観てきました。まあ感想は人それぞれでしょうが、私は世界に誇れる作品だなと思いました。観た後しばらくぼーっとしてしまいました。
大正から1923年の関東大震災を経て、敗戦へと向かう時代のなかで生きた、青年航空技師の夢と挫折の物語でした。
オープン前の宮崎監督へのインタビュー記事に、「これは反戦の映画でもなく、国威発揚の映画でもなく、どのような人々も、自分たちが生きる時代の矛盾のなかに取り込まれて生きているということを描きたかった」というようなくだりがありました。
それを踏まえて観たわけですが、青年の夢を追う姿は美しく尊く、一方で夢は優秀な戦闘機となり多くの命を奪い一機も帰らないという残酷さに、また不穏な時代のなか、明るい陽だまりのような儚い純愛に、悲しくなって泣けてしまいました。
それでも、
“風立ちぬ、いざ、生きめやも”
(Le vent se leve, il faut tenter de vivre. 風が立った、さあ、生きようではないか…)
なのかもしれません。
映画館には子供も来ていたようですが、途中飽きてしまったようで少し騒いでいました。小さな子供には難しいと思います。私はこれを、若い人はともかく、60代以上の人に観てほしいなと思いました。まあ、でも、もはや選挙も終わったし時既に遅し…(涙)
それはともかく、映画の主題曲、荒井由実の「ひこうき雲」にも思わず涙腺が緩みました。バブル期のYuming はそんなに好きではなかったのですが、これを19歳で作ったとはやはりすごいですね。この映画のためにあるような曲でもありました。