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ファム・ファタール

2015年04月12日

昨夜は帰りに映画館へ。でもその話はまた今度。

6月に公開の『アリスのままで』も待ち遠しい。

主演のジュリアン・ムーアは、今年の米国アカデミー主演女優賞を見事初めて勝ち取りました。この人も存在感と雰囲気のある、美しい大人の女優ですね。若年性アルツハイマーの女性を演じているそうですが、ストーリー展開が単純ではないことを祈りつつ多いに期待しています。

それはそうと、2014年度の主演女優賞は『ブルー・ジャスミン』のケイト・ブランシェットでした。ケイト・ウィンスレットじゃなく、ね。あ〜紛らわしい。この映画の面白さは以前のブログでもとりあげたのですが、最近また字幕版で観て、あーそうだったのか!と非常に大事な点が全く抜け落ちていたことに気が付きました。飛行機の中の吹き替え版で観たので、じっくり鑑賞していなかったのです。

『ブルー・ジャスミン』はウッディ・アレン監督節の軽妙洒脱な印象の作品ですが、実は少し怖い?、いや、かなり怖い話なのだと改めて思いました。

「一つの家族、一人の女の人生が壊れていく話」と思っていましたが、実はそうではなく、もしやこれは、一種のファム・ファタール(男を破滅に向かわせる、運命の女)の話なのではないか…と。

一見、セレブ階級のジャスミンの生活が、セレブ特有の浮ついた「生」によって見事に崩れていく様と、その後のジャスミンのあがきを描いています。

でも本当は、虚栄の塊であるジャスミンの掌の上で、浅はかで軽率な夫は、実は彼女の思うように踊らされていたのかも知れません。「彼女は最初からファム・ファタールであった」と思う方が、この人物のパーソナリティの奥行きと陰影を捉えている気がします。

男性も、女性も、勉強になると思います。

2014千鳥ヶ淵.JPG


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