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響く言葉

2016年01月31日

明日から2月ですね。3日は節分、4日は立春、寒いのはもはや勘弁といったところです。

さて、今日も新聞記事のお話。記事といっても書籍紹介のコーナーで、本日は作家の荒俣宏氏が故水木しげる先生のお薦め本3冊を紹介していました。

私などは過去「ゲゲゲの鬼太郎」をアニメ、「のんのんばあとオレ」をテレビドラマで観たぐらいで、後は「いかに大先生か」という様々な情報に触れてきただけだったのですが、ここ数年はビックコミックに連載があって読んでいました。巻末近くにカラー数ページの作品で、90歳を越えられた漫画家の現役の連載でした。作品のタイトルは『わたしの日々』。

この作品を荒俣宏氏も推薦していたのですが、その紹介文がとても良くて、ああこういう作品だったのかと目から鱗が落ちたようでした。

大顰蹙を買うであろうことを承知で正直に書くと、『わたしの日々』は私にとってすごーくつまらなかったのです(笑)。なんて言うのでしょうね、ストーリーもオチもなく感じられて、これから話が始まるのかと思いきや突然終わってしまう感じ。車のエンジンがかかってブレーキから足を外したら車が止まってしまった、というような印象、といえば伝わるでしょうか。大先生に花を持たせる連載なのだろうかと思いつつ、それでもなぜか毎回読んでしまう不思議な作品でした。

では紹介文から一部引用です。(朝日新聞2016.1.31付(ニュースの本棚)「水木しげるの人生 少年時代は一生を決める宝 荒俣宏」より)

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■なまけ者になれ

 最後にもう一冊、亡くなる直前の生活ぶりを題材にした全ページ色刷り作品『わたしの日々』を紹介したい。これは日常周辺記であると同時に、含蓄ある回想録でもある。三人合わせると300歳に近い元気な水木三兄弟はじめ、仲良しのファミリーや猫たちとの生活ぶりに触れて、「穏やかなのがいちばんの幸せ」と改めて実感する。最後近くに付された「格言」は、水木名言集の総集編であり、「なまけ者になりなさい」「猫はカシコイ」「睡眠力と幸福」に続き、「屁(へ)のような人生」で締めくくられる。人生に絶対的な価値を求めず、瞬時に消えゆく屁のようなものに価値を見いだし、満足せよという格言は、良寛さまの言葉のように可笑(おか)しく、また愛(いと)おしい。

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