匂いと脳(記憶と認知)

2016年07月12日

とても興味深い新聞記事があったのでご紹介します(日経夕2016.6.30付)。

嗅覚機能を鍛えることで、認知症やパーキンソン病などの脳の病気を予防したり改善させる研究が日本で動き出しているといいます。

アルツハイマー型認知症の多くは65歳以上に表れますが、原因タンパク質のアミロイドβが脳に溜まり始めるのはその20-30年前からだそうです。つまり35-45歳くらいからアロマオイルなどに親しむといいようなのですが、既に病気の人にとっても改善に効果があるということです。

その仕組みとは…。

アルツハイマーでは最初に嗅覚機能が低下し異臭に気付かなくなる人が多いのだそうですが、これは鼻腔上部の粘膜にある嗅細胞が減ることで、その後に記憶を蓄える働きのある海馬の細胞が障害されるためです。嗅覚の信号は視覚や聴覚などと異なり、直接、大脳辺縁系に入るのが特徴なのだとか。大脳辺縁系の領域には、海馬(記憶に関連)や扁桃体(感情のコントロールに関連)が存在します。

ここからがとても重要な点。嗅細胞は死滅した後も再生しやすい、ということ。どういうことかといえば、毎日新しい嗅細胞が生まれるのですが、生まれて適切な時期に匂い刺激の入力があれば神経回路に組み込まれ、刺激の入力が無ければ死滅するのだそうです。

これらの実験結果から、パーキンソン患者を対象に、アロマテラピーや香りの嗅ぎ分け訓練を取り入れた臨床研究が今夏から行われていくようです。

まず私たちに出来るのは、日々の生活のなかで、香りに意識を向けていくことでしょうか。何も高価なアロマオイルの香りだけでなく、季節のものや日常のお味噌汁の匂いなども楽しんで過ごしていきたいと思いました。

déconstruction

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