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他者のために

2019年04月06日

もうすぐ元号が変わりますね。
私はほとんど関心がないのですが、ある学者の方が「西暦は文明、元号は文化」と表現していました。

隔世の感というか、明治生まれの人に出会える機会は皆無となりました。かつては「うちのおばあちゃんは明治の女だから」とかそんな会話がありましたね。明治の女、しっかりしていて頑固で怖いというイメージでしょうか。以前勤めていたところでは、「〇〇先生(医師)は昭和の女(ひと)だから」なんて言う人がいて、妙に納得して笑ってしまいました。言ってる側も聞く側も勿論昭和なのですが、「昭和の女(ひと)」の場合、地味できれいで聡明、という風に私は勝手にイメージしていました。

先日、仕事上の会報誌に面白い対談記事がありました。そのなかで「気質なんていうものは結構曖昧なもので、高度成長期、猛烈サラリーマンの忠誠心は武士の精神にまで遡ると言われていたけれど、明治期の男性は途中退職が多く会社が苦労していた」といったようなことが述べられていました。

ある国民の気質だとかある年代の人の特徴だとかは、目立つところや上澄みを掬って述べているに過ぎないのかもしれないと思います。「日本人は…」とか「昭和の女は…」といった話に花が咲くこと、それはその限りで面白いものですが。

そういえば国際政治学者の先生が「年代とか世代という設え(しつらえ)ものから離れ、自分なりの価値観で生きていってほしい。そうすることで他者のために何かをしよう、という働きかけが自然にできるようになる」と若者へ応援メッセージを贈っていたことを思い出しました。難しいメッセージですが、なかなかに含蓄のある言葉だと思いませんか。

 

 


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