2019年06月02日
金曜日から今日まで学会及び研修会に参加していました。
今年のテーマは「子どもの臨床と家族、社会」であり、とても貴重な時間を過ごすことができました。
総会にはルポライターの杉山春さんという方がお出でになられ、児童虐待問題に関するテーマの講演を聴くことができました。この方の児童虐待を取材したルポは何冊か読んでいるのですが、ルポライター、ルポルタージュの存在価値というものを再認識させられました。
児童虐待問題を扱うときには(どの社会問題も同じだとは思いますが)、「鬼畜の親が子どもを虐待した」では、あまり深まらずに話が終わってしまうけれど、詳細にみていくと必ずしもそうではないのだということを教えられました。「状況依存的」という言葉は臨床の場でよく聞きますが、人の問題行動もその人の置かれた状況如何によって、発現したりしなかったりと変わってくるのでしょう。
先の読めない移り変わりの激しい社会、そこに生きる家族の在り方、父(男)と母(女)がどのような社会的、経済的、文化的状況を生きているのか、という視点を失わないでいたいものです。そこから真の意味での治療や支援ができるのだなと改めて思いました。