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いたわる

2019年06月14日

ここのところ行き帰りの電車のなかで、神田橋篠治先生の『心身養生のコツ』(2019,岩崎学術出版社)というのを読んでいます。精神分析を学ばれた精神科医の先生ですが、その治療法は随分と東洋医学的(整体、漢方、気功法、瞑想等)な要素が色濃く、一回では理解できないので二度目は精読しています。

「気が見える」とか「邪気」だとか、男女の在り方についての考え方など、私の理解の範疇を超えてしまうものやちょっと今では古いのでは?と思うところもあるのですが、あれやこれや考えを巡らせながら学んでいます。

まあ、難しいところは置いておき、この本は読んでいて笑える箇所が沢山あってとても面白いのです。

たとえば「アー・アーの気功」。これは胎児期トラウマ(母胎の中にいたときのトラウマ)の治療法で、次のように行います。うつぶせになって、自分のお腹の中に「胎児の自分」を宿しているところをイメージし、心のなかで労りの気持ちをもって「アー」と胎児に呼びかけます。次に胎児の自分が「アー」と可愛らしく返事をします。優しい呼応をイメージするのですね。その次がすごい!自分の舌はお母さんのおっぱいを吸っているつもりになってしゃぶるんだそうです。口ではこれをしながら、アー・アーを30秒から1分する。終わったら起き上がって世界を見渡してみる。これを朝晩、1-2ヶ月繰り返すそうです。

ね、すごいでしょう?正直、最初は馬鹿らしいと思っていたのですが、この間の学会で先輩とこのことを話していたら、すごい効果があるので絶対自分でやってみるようにと薦められました。コツは、唇や舌だけじゃなくて喉全体も使って、本当の赤ちゃんのように力強く吸ってみることだそうです。そして終わったら起きて世界を見渡すと、パッと世界が新鮮に映るということでした。

で、実際にやってみましたよ。手始めにまずは夜寝る前。アー・アーは慈悲の心が生まれるというか、本当に優しい気持ちになります。遠い過去の生まれてくる前の「私」に対し、親近感と愛おしさを感じることができます。おっぱいはどうかというと、これはどうやらそのまま寝てしまうようでしたので、今度は朝も行ってみようと思います。

どうせ誰も見ていないところで行うのでしょうから、是非、皆さん(男性こそ!)お試しください。

紫陽花の美しい季節になりました


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