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5F

2020年03月26日

目に見えない脅威にさらされている今日ですが、それよりも人の言動のほうが厄介だなとつくづく思います。お昼休みに近所の小さなスーパーを見に行ったら、物が無いことに唖然としました。お肉も納豆もレトルトも缶詰めも兎に角ありません。千代田区界隈の買い溜めをしていない人たちは、流通は滞っていないと幾ら言われてもその日暮らしにきっと困ってしまうでしょう。野菜やパン、卵はあったので工夫をして過ごすしかなさそうです。

さて、前回のブログの続きとして、人が脅威に遭ったときの反応について書いておきたいと思います。

目の前の脅威に対する人の反応は、闘うfight、逃げるflight、凍り付くfleeze、解離するdissoiate、従属するsubmission、というのが主に挙げられます。fight and flight は闘争・逃走反応として、一括りにしてよく言及されます。

これと似たようなもので、脅威に出くわした時の反応を「5F」という頭文字で表現する場合もあります。fight(闘う)、flight(逃げる)、fleeze(凍り付く)に、frendly(フレンドリーに) と flop (相手に迎合する)だそうです。flop(相手に迎合する)は辞書で引くと「ばったりと倒れるetc.」のような意味合いですが、submission(従属する)に近いのでしょうね。段階としてfriendly → fight and flight → fleeze → flop と進みますが、このfriendly (フレンドリーに)とflop(相手に迎合する) の見分けが難しい場合があるとのことでした。

援助職が学ぶとき、しばしば森の中で遭遇する熊のイラストでこれらのことを学びますが、いきなり脅威が近づいてきたり出くわしてしまったら、まずはフレンドリーに振舞って何とか状況を宥めようとするかもしれません。5Fは段階を経て進む場合もあれば、人によってはいきなりfleezeしてしまったり、脅威が続けばflop状態になって危機を乗り越えようとする場合もあるでしょう。

ですので、DVや虐待などの被害者に、「なぜ逃げなかったの?」「なぜ抵抗しなかったの?」「なぜ誰かに言わなかったの?」と問うことがいかに意味のないことか、「あなたにも非があるのだよ」と言わんばかりに一層追い詰めてしまうことになるか、私たちはよくよく心に留めておく必要があります。

なにやらゆかし すみれ草

なにやらゆかし すみれ草

 


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