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心のなかの一つの場所

2020年11月05日

先日開かれたonline学会において、昨年逝去されたEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)の創始者のメモリアルタイムがありました。その時BGMで流れていた曲について今日は書きたいと思います。

それはMichael Jacksonの「Heal the World」(世界を癒そう)で、特に彼のファンというわけでもないのですが改めていい曲だなと感じました。奇しくもトラウマを扱う療法で小児虐待疑惑のあるマイケル?と思いましたが、それはそれとして横に置き、天才は生きていくうえでの good idea を感覚的にとらえるのかもしれないと歌詞を聴きながら思いました。(正確にはマイケルとライオネル・リッチーの共作のようですがライオネル・リッチーも素晴らしい歌手ですよね。)

出だしの歌詞を一部抜粋すると… (和訳はネットでしっくりくるものを探してください)

There’s a place in your heart
And I know that it is love
And this place could be much brighter than tomorrow
And if you really try
you’ll find there’s no need to cry
In this place you’ll feel there’s no hurt or sorrow

最初の2行は「君の心のなかに一つの場所があるよ。そしてそれが愛だってわかっている」となりますが、これはEMDRなどの心理療法で、最初に取り組むワーク「安全で安心な場所の開発」というものに近いのではないかと思いました。勿論歌に出てくるplaceやspaceはこの限りの意味ではありませんが。

「安全で安心な場所の開発」は、セラピーで過去の辛い体験を扱う前にまずは自分にとって落ち着いていて安心できる場所のイメージを想像し、必要な時にはいつでもそこにアクセスできるようにするものです。その他スキーマ療法などでも「安全なイメージ」というものがありますね。

EMDRや自我状態療法を受けられた方は体感的にわかるでしょう。in your heart が in your body となる場合もあって、寧ろ私はこちらの方を最近多用しています。

マイケル・ジャクソンがセラピーを受けていたかどうかはわかりませんが、恐らくこういう人たちは直感的に体得するのかもしれません。「if you really try」ともあり、「私たちが真剣に取り組めば、益々その場所を輝かせられる」のです。

 


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