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集うことの意味

2021年04月24日

最近、家で『ガーンジー島の読書会の秘密』(2018)という映画を観ました。ガーンジー島というのはイギリスの風光明媚な島で、フランスに近いイギリス海峡(イギリスとフランスの間)に位置します。第二次世界大戦中にはナチスが進駐し、映画はその1940年代初めから終戦にかけての話です。

ドイツ軍の厳しい監視・管理体制のなかでひょんなことから小さな読書会が始まります。良く言えば好奇心旺盛な、悪く言えばズカズカと詮索好きなロンドン在住の若い女性作家が島の読書会に興味を抱き、取材をしたいと思い戦後訪れるところから話が進みます。謎解きのようでもあり、ラブロマンスでもあり、見応えのあるヒューマンドラマでした。ロマンスはでき過ぎの感もありますが…。

この映画を観ていて思ったのが、人はどのような苛酷な状況下であろうとも、老いも若きも集い、食べ物を分かち合い、語り、笑い合い、互いを思いやることを求め、そこから生きるエネルギーを得ているのだということでした。人が煩わしい、嫌いだという人も沢山いてそれもよくわかりますが、本質的に人は人を求めるものなのだと思います。

さて、東京は明日からまた非常事態宣言が出されます。蔓延防止と何が変わるのかという声もありますが、大型施設やイベントが休業し酒類の提供が無くなれば、街中の人の動きは自ずと変わってくるでしょう。経済的にも社会的にも生活に困難を感じたり、孤独で寂しいと感じる人が益々増えてくることも予想されます。一方で、この方が生活が却ってラクだと感じる人もいます。必要以上に人を遮断した生活になってしまう人もいます。

制約の多いこの時だからこそ、色々な状況の人がいることに思いを馳せながら過ごしたいと思っています。

 


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