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スマホで『スマホ脳』を読んでみた

2021年05月05日

クライアントの方々が読んたとおっしゃっていた、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』(2020、新潮社)を読んでみました。

NHKのニュースでもこの本が取り上げられていましたが、そこではちょっと興味深い2つの実験結果も報じられていました。それは単語の意味を調べる時に電子辞書と紙の辞書のどちらを使用したほうが記憶の定着率が高いのかというものと、もう1つは対面で話す時とオンライン上の対面で話す時に使われる脳の部位を調べたものでした。

結果は、紙の辞書で調べたほうが記憶に残る率が高く、また実際に顔を突き合わせて話す場合とそうでない場合とでは前頭葉の活性化具合に差異が生じるという画像診断が提示されていました。後者の実験結果が具体的にどのような影響をもたらすのかちょっと忘れてしまったのですが、恐らく共鳴や記憶に差が出るのではないでしょうか。実際に会って話す方が前頭葉が活発に働くのです。

これはかなり聞き捨てならない結果ですよね。私見ですがオンラインカウンセリングはやはりコロナ禍の代替手段にしておきたいと思いました。ビジネスでオンラインミーティングばかりになってしまった人も、この事実を把握しておいた方がいいと思います。

少々話が逸れましたが、この『スマホ脳』大いに一読の価値があると思います。デジタルライフのメリット・デメリットについて語るには、人の脳の発達や仕組みについての研究が欠かせないと思いました。しかも研究は数年を要するので、現在社会で起きていることの意味は数年後に判明するのです。「スマホ依存になってリアルな時間が減った」という単純な現象ではないのですよね。

また、私はこれをキンドルで読みましたが、やはり作品の全体を俯瞰するというか把握することが読後できていないように思います。できれば読書も紙媒体を併用することをお薦めします。

夏蜜柑の花

 


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