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ブログ 心's LOOM

情熱

2012年01月20日

先日、チャイコフスキーの『悲愴 (Pathetique)』を聴きに行きました。

フランス語の pathetique (パテティク)は、英語ではpathetic 「哀れを誘う、悲しい」の
意味。名詞はpathos 「哀愁、悲哀」、日本語でも「ペーソスを帯びた…」などと使います
ね。

元々はギリシア語の pathos (パトス)に由来し、パトスの意味は「情念、感動、強い感
情、情熱」など。英語の passion (パッション)もこれと同じ意。情熱の意味でこれもよく
使います。
the Passion と記せば、「キリストの受難」のこと。余談ですが、メル・ギブソン監督の強
烈な映画がありました。

情熱、情念というと、何か熱い赤いものが燃えさかっているようなイメージを抱くのです
が、pathos (パトス)には元々「受動、受け身」という意味があるとのこと。

情熱と受動。

私にはこれらが結びつき難かったのですが、情熱とは強く何かに影響されて、抑えるこ
とができない感情ということなのでしょうか。情熱家は激しく能動的な人かと思っていま
したが、どうも違うようでした。

資料によれば、チャイコフスキーの Pathetique は「受苦」と受け取るといいようです。
彼の受苦、どうしようもない、途方もない苦しみは何だったのでしょうか…

演奏は実に熱情的で、しかも静かな音で終わる。
魂を揺さぶられた体験でした。

東京初台オペラシティホール



鎮魂の意を込めて

2012年01月17日

1月17日。
阪神淡路大震災から17年、とありました。

今日、デスクに向かっているときに揺れを感じ、一瞬体が緊張しました。地震速報を見て、今日
がその日であることに気づきました。

過去の出来事を風化させない。
当事者でないと、これが本当に難しい…。

数年前に100数歳の女性とお話していたら、2.26事件(1936年)の当日の東京の様子を、今も鮮
明に憶えているかのように話してくれました。
その場にいた若い子が「それって明治時代ですか?」と言ったのでどっと笑いが生じましたが、
認知の陰りもあるおばあさんのその記憶に、というよりも熱く語るその様子に、正直とても驚きま
した。

体験した人の記憶と語り。
私たちはじっと耳を傾けていく必要があると思いました。

一輪の水仙


My note をもつ

2012年01月15日

年の初めにお薦めしたいのは、ノートに書く習慣をつけることです。
目的は、「心を整理し、落ち着かせること」「自分の傾向を知っていくこと」
などがあります。

何を書くのかは、

①日付
②今日一日の出来事(どのようなことがあったのか、どんな風に過ごしたのか)
③その時の自分の気持ち(怒り、憤り、嬉しい、恥ずかしい、虚しいなど)
④思考(何を考えたのか、どのように思ったのか)
⑤自分がとった行動

はじめはこの5点を意識しながら書いて、慣れてくれば自己流で構いません。

コツは、

※書いてはいけない内容はナシ。
※多くを書こうとしない。3-5行でもよし。
※自分の気持ちを吐き出すつもりで書く。

例えば、

①1月15日(日曜日の昼下がり)
②子どもと近所の小さな公園に遊びに行ったら、既に何人かのママたちが子連れで来ていた。
③何となく嫌だな…。気後れ、不快、いらいらetc.
④あのかたまり、何でいつもつるんでいるんだろう。入りづらいし、入りたくもない。
 だけど、自分たち親子が浮いている気もする…。私は人付き合いが下手なのかな。
⑤会釈だけして、何となく不快な気分を抱えたまま、子どもと少し遊んで切り上げた。
 帰宅したら夫が寝っ転がってテレビを見ていたので、ひどく当たってしまった。

最近は日記を携帯などの端末に打つ人もいますが、できれば手で書いた方がいいと思います。
ノートに書き綴って一冊の形にしていくことが、心理的効果が高いと経験から考えます。

私は専用の手帳に毎晩布団の中で書くことにしています。
字はのたうち回り、途中で終わっていることもありますが、それはそれでよし、気持ちの整
理につながればいいわけです。

書くことがありません、という方もいらっしゃいますが、一日を見つめ返すと、実にいろい
ろなことが生起していますよ。それを見つけていくことも、自分探しにつながっていく大切
な事柄です。

白い胡蝶蘭






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