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うつは脳の病か
2012年02月14日
録画してあったNHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」を観ました。ご覧になった方
も多いのではないでしょうか。
やや荒い内容で、これ大丈夫なの?と思わずにはいられませんでした。一研究報告として
は興味深いのですが、「画期的な治療法の発見」のように扱われると少々恐ろしくなります。
ドキュメンタリーの論旨としては、「うつは心の病ではなく、脳の病気。最新の脳科学研究
によってうつの仕組みがわかり、薬物療法ではない治療を施せる」というものです。
そこで言われているうつ発症の仕組みは、「判断や思考を司る脳のある部位の機能不全と、
不安や悲しみといった負の感情を司る扁桃体の過剰活動による」、というものです。従来
言われていたセロトニンなどの神経伝達物質(うつのセロトニン不足説)についての関連は
言及がありませんでした。
この説による画期的な治療法は2つあります。
一つは、脳の外側から「判断や思考を司る脳のある部位」に向かって、磁気刺激を与えると
いう方法です。ある装置を頭部につけて、カタカタカタカタ…というキツツキが樹を突いて
いるような音のする刺激を一定の間隔で脳に与えていき、症状が緩和した後も1ヶ月1回位の
目安で続けていくというものです。
アメリカではこの療法が行われ始めていますが、日本では1ヶ所で試験的に導入された段階
です。
更にもう一つの方法とは、外科的手術によって刺激を与える器具を脳のなかに埋め込むとい
うものです。胸にもペースメーカーのような装置を埋めて、そこから脳の器具に信号を送り
込む仕組みになってます。この治療法もアメリカの話で、4,5年前から始められました。
どちらの治療法も副作用については未だデータが揃っていないのか、何も説明されていない
のが気になるところです。また、「判断や思考を司る脳のある部位の機能不全と、不安や悲
しみといった負の感情を司る扁桃体の過剰活動」がなぜ引き起こされるのか、という疑問
が依然残ります。
引き続き注目すべきテーマですね。
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昨日に続いての画像。答えはメジロ。鶯より鮮やかです。