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脳と意識

2012年04月21日

Newton 5月号のテーマは「脳と意識」。中吊り広告で気になっていたので買ってみました。
意識とは何か。
脳という物質から(脳科学の立場から)意識について説明することができるのか。
以上2つの観点からの特集記事でしたが、意識が説明されればじゃあ無意識も説明され尽くすの?と益々興味深くなりました。
2/5付けのブログで次のようなこと書きました。
「目の見えない人がいます。彼は視神経や角膜など目そのものの異常はないのですが、脳の中の後頭部・視覚野に損傷があるため目が見えません。視覚野は目から入った情報を処理をするところです。その全盲である人に、あるスライドを一枚ずつ見せていき…スライドには、人の笑った顔、怒った顔、悲しげな顔、困惑した顔など、様々な表情が一つずつ映し出されています。被験者はスライドを提示される毎に、「ネガティヴ」「ポジティヴ」と顔の判断をしていき…悲しげな顔=「ネガティヴ」、微笑んでいる顔=「ポジティヴ」といった風に。目が見えないのに、その人は正確に表情を判断することができる。…これは、人が情動を感じとって判断するのは、目ではなく脳の扁桃体という部分で行うからだそうです。…」
これと同じような面白い実験がNewtonにもありましたので、書いておきます。画像を見てください。正常な視野の人は上段の図のように「ツツジの花、蝶、ボール」が見えます。しかし、左脳の視覚野に損傷がある人は(網膜や視神経には異常なし)、右側のボールが見えなくなります(中段図)。半分視野が欠けるのですね。
盲視のメカニズム
けれども半盲の人に「あてずっぽうでもいいからボールの位置を教えて」というと、高い確率で場所がわかるのだとか。これを盲視というそうです。
どうして見えていないのに「この辺」と場所がわかるのか?これは視覚情報処理には幾つかのルートがあるからなんだそうです。例えば「リンゴを見てリンゴが見えた」というような、「意識にのぼる」視覚情報ばかりでなく、無意識のうちに見えている状態が実は沢山あるのではないかということです。
もしかしたら視力に問題のない人でも、例えば自分の背後のことなんかが見えているのかもしれません。というのは飛躍しすぎの考えでしょうかね。

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