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母の日
2012年05月11日
5月の第2日曜日は「母の日」です。今朝のニュースで驚いたのが、クリスマス商戦よりも母の日の方が売り上げが多いこと。これは意外でした。
カウンセリングなどに来られる方で、母との関係に悩んだり母に対して葛藤を抱えている人はとても多いものです。また、ご本人は悩んでいなくても、その人のお母さんとよく似た生き方をしている場合も実に多いものです。
母子分離は永遠のテーマです。新フロイト派の精神分析家が、「人は3回母とさよならをする必要がある」、というようなことを言っていました。1回目は、出産(誕生)のとき。赤ちゃんは母の臍帯から切り離されてこの世の中に出てきます。2回目は、ある程度成長して母の手を借りずとも生きられるようになったとき。それが何才をさすかは定かではありませんが、「親離れ、子離れの必要あり」なんてことはよく耳にしますね。3回目は精神的に母から離れること。そして実はこの3回目が一番難しい。強い葛藤も強過ぎる思慕の念も母から自立しているとは言えません。
特に女性は母が「最初の同性モデル」なので、その母の影響が非常に濃くなると思います。そういうことに思いを馳せながら、母娘関係を扱った映画をよく観ます。例えば日本映画なら少々古いけれど「愛を乞うひと」。これはなかなかヘビーです。覚悟のある方のみお薦め。印象に残っているのは「ホワイトオランダー」(2002)。母の、蛇のような恐ろしさが描かれています。ホワイトオランダーは白い夾竹桃(キョウチクトウ)のこと。プルメリアに似たきれいな夏の花ですが(公園や高速道路によく植えられている樹木)、焼却処分できないほど強い毒素があります。
母の日に、勿論、感謝をしつつ…。