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自己愛について(2)
2012年06月26日
寒くなったり暑くなったりと忙しい気候が続きますね。
さて、最近よく考えているのが「自己愛」について。
最初は猫を観ていてはたと感じました。猫に自己(セルフ)なんかないのかもしれないけれど、なんというか「自分で自分を愛する」能力のようなものが、ヒシヒシと伝わってくるんです。自分にとても満足しているというか…、あれは何なんでしょう。
それと共通するのが、赤ちゃん。赤ちゃんと猫を一緒にしてはいけないのかもしれないけれど、赤ちゃんのあの自己肯定感、「世界の中心は自分である」のような振る舞いには圧倒されるのと同時に、とても幸せな気分になります。
フロイトは赤ちゃんのこのような状態を「赤ん坊陛下」と言ったそうですが(下記の文献参照)、赤ちゃんや幼児のこの全能感は健康な証、健全な自己愛なのです。
この自己愛が傷ついたり、また肥大化すると、大きくなってから対人関係で問題が生じたり生きづらさを感じるようになります。自己の主観にとらわれて、幻想のなかで生きるようになります。
上記文献で興味深かったのが、ナルシスティックエクステンションといって、自己愛は自分を超えて延長するんだそうです。どういうことかというと、子どもや恋人、配偶者などにも自己愛が波及する。実際以上に相手がよく見えたり、自分の願望を投影したりするのです。
1986年に「愛少女ポリアンナ」というアニメ化された児童文学がありましたが、ああいう子の心理を「ポリアンナイズム」というのだそうな。つまり、「周りの人は皆善意あふれるいい人たちばかりで、自分は愛されている」という思い込みが強いことを指します。いじめられる自分、可愛がられない自分は、常に意識の下に排除されることになるとのことです。
よく言えばかなりの前向き精神ですが、現実をみることができない、健康な自己愛の傷ついた少女ということになるのでしょうね(つづく…)。