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antihappy

2012年08月24日

以前のブログでご紹介した、小此木啓吾著(1980)『シゾイド人間』のなかに次のようなくだりがあったのでご紹介しておきます。とても含蓄のある言葉だと思います。
このことは以前から非常に強く感じていたことなのですが、世の中の「ハッピー」にややウンザリしていました。人間の基本的なアティチュードとして「幸せ」を感じていることはとても大切なことですが、ハッピー=脳天気?というニュアンスがどうも匂うからでした。
***以下引用***
人間の心が健康であることと、いつも満足感があってハッピーであることとは決してイコールではありません。(中略)フロイトに有名な言葉があります。「精神分析の治療の目的は、決して人間を幸福にするためにあるのではない。むしろ人間が生きていくために耐えなければならない必然の苦しみや悲しみというものを、人間が自分のこととして経験することができるようになることが心の正常である」
********
「精神分析」というところは「精神療法」に置き換えられます。私たちは日々なんと感情に蓋をして生きていることでしょうか。あるいは苦しみや悲しみを他人のこととして経験していることが多いと思います。他人のこととしてというのは、他人のせいにしたり、本当は自分が苦しいのに他人の苦しみに置き換えたりすることetc.です。「自分のこととして経験する」、これが大事になってくるわけですね。
眼下

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