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互助努力

2013年01月22日

日曜日に録画したてのドキュメンタリーを観ていました。
観られた方も多いのではないでしょうか。NHK の『終の住処はどこに 老人漂流社会』。この類いのものを観ると気持ちがズシーンと深く深く落ち込むのですが、他人事ではないので極力目を通すようにしています。
ここのところ東京駅地下街などを歩いていると、高齢女性のホームレスの人や、認知症とおぼしきホームレス風のおばあさんなどを見かけることが度々あったので、煌びやかにリニューアルされたスポットとのギャップに衝撃を受けていました。(なかには真新しいブランド品をたっぷり身につけたホームレス風の人もいました…。全財産入った紙袋を幾つももって移動している感じなのです。)
豊かな企業年金層と年金6,7万円の層の歳をとってからの生活の違い。配偶者を失ったり頼れる子供がいなかったり、認知症や身体の不自由が生じてくると、一人で暮らすことは不可能になります。現行の介護環境を利用できない人たちは行き場を失い、短期間しか利用できない施設を転々と動かなくてはいけません。
なかには3畳一間3食付(介護・医療サービスなし)で13,4万というものもあって、これを貧困ビジネスといわないでなんというのかと愕然としました。一体、どこにお金が回っていくのだろうか…。
これを自助努力の問題で片付けるならば、そう遠くないうちに日本は世界のなかで貧しい元先進国になっていくだろうと思いました。ただ、暗澹たる番組の最後では一つの希望も見られました。それは一人の女性が私財をなげうってグループホームのようなものを立ち上げたこと(それとて利用料は上記並なのですが)。そこはまるで家庭のような感覚で、手足の利く高齢者は自分のやれることをして炊事などの家事を手伝う。互いに助け合っていくという、人が生きていくうえで大事な基本的姿勢がそこにはありました。
東京丸の内イルミネーション
東京の陰でも…

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