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誰にでも起こり得ること

2016年03月18日

最近まで、以前のブログでもご紹介したルポライター、杉山春さんが書いた『ネグレクト–育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか』(2007)と『ルポ虐待:大阪二児置き去り死事件』(2013)を読んでいました。前者は2000年、後者は2010年の事件でまだ記憶に新しいと思います。

こういった凄惨な事件がひとたび起きると、激しく親を糾弾する空気が一気に噴出しますが、杉山氏の著したルポは冷静で緻密、「子どもや親のために、一体どうしたら児童虐待を無くせるのか」という志向に基づいた取材なので、非常に沢山の意義深い視点を与えてくれました。加害者の親たちと直接会ったり手紙のやり取りを続けていくのは、弁護士でも医者でもなく中立的な立場だからこそ可能なのだとも思いました。

「無力な子どもたちのために」は勿論のこと、「親のために」という視点は、本当に虐待を無くそうとする上で不可欠なものであるということが、本書を読むとよく分かります。逆説的ですが、何かあったとき親を激しく非難するようなムードが強い社会であると、育児は密室のなかに抱え込まれ、隠蔽され、支援の手が届かなくなってしまうのだということが理解できます。

また、ネグレクトした親もかつてはネグレクトされてきた子であったこと(世代間連鎖の問題)、ネグレクトをされてきた子どもが大人になったときの物事の認知の仕方、「家事・育児は最終的には女の仕事」という根強い役割分業意識、女性の自立の問題など、多様な視点から紐解くこともできます。

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今年はsweet pea 三昧。


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