沢山の物語に触れる

2017年08月23日

しばしば思うこと。

何が幸せなのか、何が楽しいことなのか、何が安らかで健やかなことなのか、また、人と付き合う上でどういう人がいい人なのか、「よくわかりません」という人がとても多いことにいつも驚かされます。

心理士の研修などに参加すると、講師の先生が「クライアントに、いい人と付き合うようにしましょう、と伝えることは非常に大切」と言われることがあります。ある仏教の僧侶も「よき縁に触れ、よき縁となし、よき縁となる」ということをおっしゃっていましたが、同じようなことを言っていますね。

でも、何がいいことなのかよくわからない、ということも、その人の生育環境などをお聴きすると理解できます。例えば、両親が冷たい関係だったり、夫婦間の愛情が感じられなかったり、諍いや喧嘩が絶えなかったりすれば、子どもは「何が温かくていい関係なのか」といったことを学ぶ機会が失われてしまいます。優しい親戚や隣人など、その子のモデルとなるような大人がよそにいればまだいいのですが、やはり基本は家庭。子どもはそこで、男女像の基本や世界観を構築していきますから。

では、いいものを学ぶ機会があまりなかった場合、どうすればいいのでしょうか。セラピー以外の一人でできることの一つが、私は「沢山の物語」に触れることだと思っています。映画、小説、ノンフィクション、自分の身の回りに生きる人々、何でもいいのです。他人の人生や生活を覗き見て、何が幸せで、どんな人がいい人なのか、何が危険で、どういう人があなたのことを丁寧に扱ってくれない人なのか、色々混合させて一応の手本となるような自分のモデルを作っていけばいいのです。勿論、善悪二元論に陥ってはいけませんが、これは結構楽しい、創造と想像の作業になります。

夏のお香


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