2018年04月05日
ソメイヨシノも散り八重桜が咲き始めの時季を迎えています。今日は花冷えですが、気持ちのいい気候が続きますね。
さて、最近読んだもののなかで、なんというか爽やかな読後感を覚えたのか次の本でした。水野敬也著『顔ニモマケズ』(2017)文響社、です。話題になった本なのでご存知の方も多いかと思いますが、多様な疾患で顔や外見に症状をもつ当事者9名へのインタビュー集です。
一番最後にインタビューされている方と同じ症状の青年をオフィス近辺で見かけたことがあるのですが、この疾患について何も知らなかったので正直最初は驚いてしまいました。程なくして新聞記事などで知るようになり、いつか読んでみようと思っていました。
紙幅の少ないインタビューで過不足なく汲みつくせるわけではないと思いますが、この方たちがどうやって今現在も悩みと付き合いつつ、好きなことを見つけて生きているのか。その工夫や努力、ものの見方・考え方・取り組み方は、とても感慨深いもので、勇気づけられ教えられるところが大きいものでした。共通しているのは、内にこもらず外に出てみる、失敗しても何度も挑戦してみる、ということを本人も家族も実践しているところです。
日本の社会は、自分のことを棚に上げて他人の美醜を言い過ぎるか、或いは自分の見目形ばかりを気にするところがあると思います。両者は表裏一体です。云十年生きてきて思うのは、男も女も造作ではなく、表情や身の振る舞い方などの方にこそ、ずっとその人自身(パーソナリティーやキャラクターなど)が現れる、ということです。