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ジェンダー:変わっていくこと

2020年08月27日

かれこれ20年程前に精神科医の斎藤学先生のセッションを受けていてジェンダーの話になったとき、「男とか女とかそんなの取っ払って、今の時代は(性自認を)中性って考える人たちもいるんですよ」と言われたことをよくおぼえています。

つい先日ベルリン映画祭が “女優賞、男優賞の括りをやめて俳優賞にする。映画界は時代を牽引していかなくてはいけない” ということを発表しましたが、是が非でも確実に時代は変わっていくのだな…と思いました。

女性、男性の区別や括りがなくなって実に喜ばしいと思うところと、二分法に依拠して単純に語れなくなること、益々配慮が求められる時代になっていくことの面倒くささと、自分の意識が変化についていけるのかという不安と、色々思うところがあります。

それでも小さい頃から、男女の役割の違いは何故あるのだろうと常に疑問を抱えて生きてきました。私が育った環境は大人たちが一堂に会すると、男たちは上座に座って出てくるもの(それも質量が優先される)を飲み食いしながら談笑し、女たちはせっせと料理を作り、運び、食べ、後片付けをする(子どもはそれを手伝う)、というのが明確に分かれていました。時代が進み男のなかに料理をする人、後片づけをする人も現れてはきますが、「女は気働きができて優しいのが一番」という価値観が尊重される環境だったので、どうも自分には合わない、別の人生行路はないものかと考えるようになりました。

それなりにジェンダー問題には関心を向けてきましたが、世の中の流れの速さについていけないなと思うところも出てきました。例えば男女別のトイレが無くなってしまったらと思うと、今のところ抵抗を感じます。でも、やがてはオールジェンダートイレ、つまり無印トイレという時代が来るのかもしれません。レインボーマークを付けられることを嫌がるマイノリティーの人もいるので、もっともなことです。

社会は最適解を目指し、試みや打開策を見出しながら常に変化していくものなのでしょうね。そのことは忘れないでいたいものです。

 


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