2021年10月06日
緊急事態宣言が解除され、街が徐々に解放的になっていくのが感じられますね。
面接もほぼ対面に戻りつつあるものの、時々オンラインがあるとなぜか少しほっとします。オンラインは時間が来て接続を切ればそこで終わるので、時間の余裕が生まれるからなのでしょうか…。どうもそれだけではないようで、この感覚は一体なんなのだろうと思っていた矢先、精神科医の斎藤環先生の論考や記事に出会いました。
私が感じていたことに合点がいきました。それは「臨場性は暴力である」ということで、人と人が身体をもって直接相対することは、それだけで暴力性を帯びるということだったように思います。暴力といっても単純な意味での物理的精神的な暴力ではなくて、たとえどんなに優しい関係であったとしても、そこには「他者に対する力の行使」「不可避の侵襲」が生じるということでした。
この臨場性の暴力は善悪で語れるものではなくて、人々の欲望を賦活し、関係性を育むのだと言います。コミュニケーション(情報の伝達)はオンラインで可能ですが、関係性の構築はオンラインでは不可能なので、コロナ後の世界は全てがオンラインになることもないし、また全てがリアルな対面に戻ることもないのです。
先週末は海外の先生とオンライン研修がありました。講師のジェットラグも渡航滞在費も無く、また参加者も研修費のみで全国から参加できる利点があり、これならばオンラインで十分なのではないかと改めて思いました。とはいえ深い学びができるのかというと私はそうでもないようで、これからの社会はオン・オフライン併存、柔軟に選択できるようになるといいですよね。