2024年12月25日
今日はクリスマス。今夜が過ぎれば明日からは一気に街はお正月モードになりますね。どこかで節分の広告も見かけました。この変わり身の早さと商魂の逞しさ。スーパーは既にお正月用品が占拠し始め、今から数の子とか買うの?…とフシギになりますが、下拵えに準備がかかるのかしら?
きらきらしたこの華やいだ季節が嫌いではありませんが、この時季が嫌だ、苦手だという人たちの記事を読み、その気持ちも大いに理解できると思いました。クリスマスやお正月というと当然パートナーや家族と過ごすものだという暗黙裡の圧がありますよね。事情があって人間関係や家族関係から距離を置いている場合、より一層、孤立感、孤独感に苛まれるのがこの年末年始シーズンなのではないでしょうか。また、たとえ家族と過ごしていても、心が通っていない場合などもざらにあることでしょう。
そこで、ふと、考えてみました。家族以外の者同士、一人だと嫌だと感じる者同士が地域で気楽に繋がれる方法はあるのだろうか…と。それもクリスマスやお正月を祝えながら集まれる方法はないのだろうか…と。都心部は地域社会が希薄か無いに等しく、しかも着実に単独世帯は増えているし、孤立感を感じている人は沢山いるはずです。
うーーーむ。そこで考えたのが、「大人食堂」ってどうでしょうか。子ども食堂で「親可」「大人可」というのは見たことがありますが、純粋な大人食堂か、大人食堂(子ども単独可、子連れ可)というのがあってもいいのではないだろうか…と。もしかしたら既にあるのかもしれませんが、周りでは全く見かけません。この考えを身近な人に話すと、夢物語として一笑に付されるのですが。
今は卵大くらいの漠とした想念に過ぎませんが、ちょっと楽しみながら胸で温めておきたいと思います。
2024年12月12日
さて、またまたシラルディ博士のワークブックから。
本日は定義についてです。自尊心とは何か?それは“自分自身に対する現実的で好意的な見方”です。現実的、というところが大事ですよね。現実的とは正確で正直であるということであり、好意的とは自分自身を好きだという感情です。等身大の自分を好きでいることです。
また、自尊心は自滅的な羞恥心(ex.自分はクズだ)と自滅的なプライド(ex.自分はスゴイ。傲慢で自己陶酔的)の中間に位置しているとのことです。どちらに偏っても、人がその人の周りから去っていきますよね。でも、自尊心は変動するものでもあります。だからこそ変えられるのだと説明されています。
ではどうやって自尊心を築くのか?
それは、「1.人間の無条件の価値を信じること→2.愛→3.成長すること」というプロセスのワークをしていくことによります。次回へ続く…
2024年12月06日
今年もあっという間に師走を迎えています。
大阪でのEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)研修は思いのほか小ぢんまりとしており、トレイナーもスタッフもトレイニーも身近に感じ、珍しく最後まで集中することができとても有意義に過ごせました。何しろキレイな女子校の一教室で受けられた研修でした。思いがけず再会できたり、ランチにお話しできたり、ミニワークで御一緒できた参加者の方々、どうもありがとうございました。
大阪は何度行っても馴染めない場所ですが、阪急と阪神の区別は何とかつくようになったでしょうか…。私の適応能力はせいぜい横浜程度の街なので、スマホを手から離さずとも、乗り換えや地上・地下通路、駅の方角の複雑さには閉口してしまいました。ホテルに着いた頃にはぐったり、復習もままならないまま早々と就寝してしまいました。
歳をとったら新しいことをやってみると脳に良いとはしばしば聞きますが、不慣れな場所、見知らぬ場所に身を置いてみるのも前頭葉の活性化にいいのだと思うことにします。
中之島 あら、演歌っぽくないな…
2024年11月29日
明日、明後日はお休みをいただきます。今年最後の研修、EMDRのブラッシュアップのために大阪へ行ってきます。今回は大変珍しく会場は女子校です。女子校なんて初めて足を踏み入れるところなので何だかワクワクします。「上履き必須」のお知らせが飛んできたので、そうだよね、中高は靴を履き替えるものね、と納得。何か履くものを探さなきゃ。
先週は所用で京都に行ってきました。初めて鑑賞した金閣寺。金閣寺は三階建てだったのですね!水面が風に揺れると、それが寺院の壁に反射し、ゆらゆらきらきらと眩いばかりでした。
御菓子の中の金閣寺
2024年11月14日
この時代のこの時季を小春日和と単純に喜んでいいのかわかりませんが、暖かで過ごしやすい気候が続きますね。
さて、シラルディ博士の「自尊心」について、人生を生きるうえで参考になりそうな箇所の要約です。
人間の価値はどこから来るのか、多くの人が漠然とであれ一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
第二次ベビーブーム世代の私としては、今とは比較にならないくらい子どもの数が多かったので、受験などの度によく考えさせられてきたように思います。受験や選考のプロセスの度に、ざるで人をふるいにかける絵(イメージ)が襲ってきてゾ~っとしていました。故事成語を勉強しながら転寝をしている最中、「一将功成りて万骨枯る」と寝言を言っていたときょうだいに指摘されたこともありました。万骨のなかに我が身を置いて、自分を何とか慰めていたのかもしれません。
博士の指摘では、自分のとる行動や、スキル、才能、性格特性、他者からの受容によって人の価値は獲得されると考えている人は少なくないけれど、どれもみな自尊心確立の第一歩として好ましくないとしています。 また、 “生産性”それ自体は悪でも軽蔑されるものでもないけれども、生産性は不毛性と表裏を成していて、生産性や生産力に突き動かされるものは、常に不毛性に付き纏われ恐怖に怯えることにもなると言っています。
鋭い指摘だと思いますが、皆さんはどう思われますか。
2024年10月25日
先ほど界隈を歩いていたら、靖国通り沿いに提灯が飾られていました。
そう、明日、明後日は、毎年恒例の神保町ブックフェスティバルが開催されます。すずらん通り、さくら通り、靖国通り辺りでは、沢山のブースが設置されて本祭りが開かれます。もしかしたら作家さんも来られるかもしれません。ご興味のある方はカウンセリング帰りにでも覗いてみてください。
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さて前々回の続きの話。自尊心を育むための第二章には、育んでいく前提として「健康的な食事と運動と睡眠」が必要だと書かれています。この3つに留意すると、ハードウェアとしての脳の機能を高めることができるようです。
運動:最低一日30分の有酸素運動。
睡眠:毎日大体同じ時間に寝起きし最低7.5時間。就寝前4時間は食事をしない。
食事:一日3回の地中海式の食習慣(魚と植物性食物が多いこと)、最大3120㎖の水分補給。
うーーん、どうでしょう?これはかなりハードルが高くないですか?第二章で挫折しそうな勢いですよね。
私の場合、運動は1週間に1時間。睡眠は途中覚醒込みで6~7時間。かろうじて食事内容だけはクリアかもしれませんが、この水分補給は料理に含まれる分(ex.お米を炊くときの水)も入れてなのでしょうね。
勤務時間や通勤時間が長いライフスタイルなどの場合、要求が高すぎてほぼ実現不可能だと思いますが、なるべく気持ちだけは心掛けていきたいと思います。例えば駅では極力階段を使うなどしています。あるスポーツインストラクターの方が駅構内は無料のジムだ!と言っていましたっけ。とはいえ、エスカレータを歩くのは、最近マナー違反になりつつありますね。
2024年10月17日
今年のノーベル文学賞はアジア人女性初の韓国のハン・ガンさんが受賞されました。私はまだ作品を読んだことがないのですが、所属している読書会ではとても盛り上がっていて、過去のアーカイブでハン・ガンさんのお話を聴くことができました。
入手出来次第(今は売り切れ状態)読んでみたいと思いますが、歴史的なトラウマや人間性についての繊細で緻密、革新的な表現が評価をされたとのこと、非常に興味をそそられます。ハン・ガンさんの声と語り口は、水琴窟の音を聴いているようにとても静かで控えめでした。残虐な史実を小説にするときには、そこに哀悼の念も入れたいとおっしゃっていたことが印象に残ります。
そんなこんなで、ハン・ガンさんとは直接関係がありませんが、ここのところ韓国の映画(『タクシー運転手』『シークレット・サンシャイン』)を観て休日を過ごしていました。『タクシー運転手』は1980年の軍による民衆弾圧事件を扱ったもの(光州事件についてはハン・ガンさんも小説を書いています)で、『シークレット・サンシャイン』は子どもを殺されたシングルマザーの心の傷とその後必死に生きんとする姿を描いたものでした。
国民や群衆レベルのトラウマにしても個人レベルのトラウマにしても、そう容易く回復などしないことを改めて考えさせられました。『シークレット・サンシャイン』の母親は神による救済(赦し)を求めて信仰の道に入りますが、神も彼女の深い傷を思うように癒してはくれないものでした。では一体何が人を救い得るのか…。
そこは個々人の解釈や考えに委ねられると思うのですが、私は “長い時間と寄り添い続けられる人や社会の存在そのもの” なのだと思いました。セラピーもそのなかに包摂されて初めて成り立つものなのではないでしょうか。