2023年12月29日
新年は1月4日(木)からの営業になります。今年は私事で急遽休みが続いたこともあり、クライアントの皆様にご迷惑をおかけしました。こうして無事仕事納めを迎えられますことを、心より感謝申し上げます。
今年はコロナ禍が明けて(5類に移行して)、月一の仲間との研究会が実地で行われるようになりました。オンラインも興味深い試みでしたが長い間実際会わないでいると、たとえ顔見知りであっても最初は何というか緊張するものですね。「物理的に人がそこにいる」ということのエネルギーをひしひしと感じた一年でした。
2024年も学びの多い年となりますように…
また世界が少しでも平和に近づく年となりますように…
2023年12月02日
2023年も残すところ約一月となりました。
2024年は一体どのような年になるのか、抗えないところでは確実に気候変動の問題がありますね。それからいつ起きてもおかしくない地震など自然災害の問題。身近なところでは物価高とか様々な業界における人員不足の問題。数え上げればきりがありませんがどうみてもnegativiなことが多いような…。物価高は目指すべきところだとする評論家が多いですが、庶民の所得が上がらなければ人心は疲弊していくのみです。
ではpositiveな面はどこにあるのだろう…ともこの頃よく考えます。AIが生活の隅々にまで入ってきて第二のIT革命が起きることなのか。AIの使い手である人間の能力や良心、道徳が一層問われるであろうし、淘汰される仕事と必要とされる仕事の交代がスムーズにいくかどうかの心配もありますが、きっとメリットも沢山あるのでしょう…。ウェアラブルなAI端末で母語で話しても直に通訳されるようなものがあれば、外国語の勉強もいずれは不要になるかも?
人々の生き方、心の在りようはどうなっていくのでしょうか。
この間コラムか何かで「女性にとってこれというロールモデルがないのが現代であり、だからとても生き辛い時代なのだ」という趣旨のものを読みました。これは日々の臨床の中でも切実に感じていたことでした。特にトラウマが無くても「何をしたいのか、どうなりたいのか、したいことがよくわからない」という方が実に沢山いらっしゃいます。
ロールモデルのなさは多様性の尊重やジェンダーの問題とも大いに関係がありますよね。ライフスタイルの多様化、結婚するか否か、子を生むか否か、どこで何をしてどのように生きていくのかなど、(少なくとも建前は)自由に選択できるのが今の社会です。昔の女性たちは結婚したり子供を生むことを選択だとは思わずに無意識に当然のこととして受け入れてきたのではないでしょうか。
私はこの「選択」や「多様な価値観の尊重」というのは自由や自己肯定に繋がっている尊重されるべき権利だと思っています。一方で、分かりやすい御手本がなかったり、好むと好まざるとに関わらずその手本から外れた人生を歩むとなると、茫漠とした世界のなかを進んでいくような不安な感覚に襲われるのではないでしょうか。
特に日本は世間の同調圧力が強く、また失敗すると自己責任論が強い社会なので、並々ならぬ生き辛さ、息苦しさを抱えて生きることになるのだと思います。勿論このことは女性だけでなく、今の時代を生きる男性たちにも同じなのかもしれません。2024年の希望があるとすれば、色々な生が肯定され、且つ孤独や孤立をこれ以上深めない社会になってほしいということです。微々たる力でも自分に何ができるのかも考えていきたいと思っています。
2023年11月24日
近頃相談室の中にばかりいてあまり外を歩いていなかったのですが、時々は神保町のことを発信していきたいと思いました。街歩きや外食などは精神的にしんどい方も多いと思いますが、気力のある時に情報を何かの足しにしてもらえればと思います。
コロナ後の神保町界隈は新しいお店が続々とオープンしています。
活性化してきているともいえるし、「えっ、ここもう潰れちゃったの?」というのも沢山あり移り変わりの速さをまざまざと見せつけられています。
さて至近距離であるカウンセリングルーム前の四辻には牛すじ丼と牛すじカレーのお店が開店しました。テイクアウトも可能で一昨日早速お昼に買いました。並850円。ちょっと女性にはボリューミーですがなかなか美味しかったです。以前ここにはリーズナブルな揚げ物定食屋さんがあり、御婆さんとその娘さんらしき人がが営んでいました。こんな古いビルの一階に何が入るのだろうと思っていたらお洒落なお店ができました。
そして昨日は隣のビルの一階に北欧アウトドアブランドの直営店がオープンしたようです。これまたこんな古いビルどうやったら改装できるのだろうと不思議に思っていたのですが、店内は見事にお洒落なお店に変わっていました。何でも60年経つビルだそうです。牛すじ屋さんのビルも同じくらいの古さに見えます。
一階の窓が大きくなって構造的に問題ないのか心配にもなりますが、古いものを利用しながら新たなものが生み出されていくのはとても興味深いですね。
2023年11月19日
気分転換に秋を探しに行ってきました。
既に秋は終わりかけていましたが、首都圏は12月から紅葉シーズンでしょう。神保町白山通り沿いの銀杏はこれから黄金色に輝いていきます。
2023年11月04日
神保町の街は昨日11月3日の文化の日まで「神田古本祭り2023」が開かれていました。いつもより人の出が多く驚いた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
最近、皆さんは紙の本を読まれていらっしゃいますか。既に電子書籍にとって代わられているのでしょうか。
たまには紙の本をお薦めします。また手で文を書くこともたまにはお薦めします。特に認知行動療法などを始めとした心理療法系のものは、電子媒体で読んだり書いたりしても、定着が希薄であったり継続しなかったり、治療のための自己表現にはあまりならないような気がしています。
万が一、紙の書籍も肉筆も無い時代がやってくるとしたらその時は心性もだいぶ変わってくるのではないでしょうか、全く予測がつきません。
マリーゴールド発芽91日目
2023年10月21日
『白雪姫 あなたが知らないグリム童話』(2019仏・白)という映画を観ました。舞台は中世ドイツではなく、現代のフランスです。スマホも出てきます。まあ、口コミは悪いこと!「冒涜だ」というものもありました。白雪姫ってそんなに神聖なお話ではなかったように思いますが…。
ドイツのグリム兄弟によるグリム童話集は昔話を収集・編纂したものですが、昔話がどうしてこんなに心に響き長く読み継がれるのかといえば、私たち普通の人間の普遍性が多少ともそこには描かれているからだと思います。
この『白雪姫』を観ていてまず思ったのは、精神科医の斎藤学先生がかつておっしゃっていた白雪姫の解説そのものだなあ…ということでした。膝を打つ思いです。
曰く、白雪姫は一人の少女の一筋縄ではいかない成長譚です。恋愛・性愛の経験を経ながら、母娘分離と親密な関係性の成就が描かれているということでした。恋愛・性愛の経験は「7人の森の小人たち」、母娘分離は「継母=実母=魔女殺し」、親密な関係性の成就は「王子様との出会い」ということで、ドラマチックに物語化されているのですよね。魔法の鏡とか毒リンゴというのは、母娘分離が時に壮絶な闘いになるという象徴なのではないでしょうか。
現代版『白雪姫』ですが、兎に角フランス映画らしく、かなり性愛に偏り過ぎてはいます。性愛に解放された奔放な小娘と、かなり気色の悪い7人の男たち(1人は普通の友達)、嫉妬の火を燃やすやり手の継母といった登場人物が主に出てきます。ロケ地はどこなのか、薄暗い森の中ではなくて岸壁に囲まれた隔絶された谷あいの美しい村です。
ここが現代版らしいのか、最終的に王子様の登場はありません。女の子は「私は誰の者にもならない」と言い放ち、食堂のホールの仕事をしながら村での生活に安堵と幸せを見出していくのだろうな…というところで映画は終わります。多様性の一つの在り方なのかもしれません。
2023年09月30日
昨夜はお月見をしながら帰りました。案の定、月に叢雲でしたが、時折浩々と眺められました。中秋の名月で満月なのは、昨夜とその後は7年後のことだそうです。はて7年後にはどのような気持ちで眺めているのでしょうか…。
帰りにお団子を買っていこうと思ったら、駅構内のお店にはどこにもお団子が売られていませんでした。和も洋も季節の栗のお菓子ばかり。仕方がないのでフルーツ大福を買って代用しました。
明日から10月です。今年もあと3ヶ月。気を引き締めて、でも時には緩ませて、臨んでいきたいなとお月様に話していました。心の中でね。