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心理 東京
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ブログ 心's LOOM
穀雨
2015年04月19日
今夜は新月で明日は穀雨だそう。
新月のときに種を蒔くと良い、と聞きますが、本当なのでしょうか…。まだ試したことがありません。
種ならずとも、何でもいいから少しでも興味をもったことをかじってみる、というのは大切なことかもしれません。続こうが続かなろうが、趣味の範囲のことだろうがなかろうが、些細なことでも取りあえず無心に何かやってみる。
「自分が何をしたらいいかわからない」という人はかなりいますが、何かやっているうちにわかってくるかもしれません。根気よく自分と付き合ってみること。数行日記をつけるだけでも、全く違ってくると思います。

一枚の素敵な葉書が届きました。それは個展への招待状でした。御自分で開くのでしょうか…。嬉しく思いました。あ〜、駆けつけたい。でも、セラピストは職業柄(職業倫理上)行くことが出来ません。時折こうした発表会などへのお誘いがありますが、いただいたパンフレットやお便りを眺め想像しつつ、一人で楽しんでいます。そして遠くから応援しています。
ファム・ファタール
2015年04月12日
昨夜は帰りに映画館へ。でもその話はまた今度。
6月に公開の『アリスのままで』も待ち遠しい。
主演のジュリアン・ムーアは、今年の米国アカデミー主演女優賞を見事初めて勝ち取りました。この人も存在感と雰囲気のある、美しい大人の女優ですね。若年性アルツハイマーの女性を演じているそうですが、ストーリー展開が単純ではないことを祈りつつ多いに期待しています。
それはそうと、2014年度の主演女優賞は『ブルー・ジャスミン』のケイト・ブランシェットでした。ケイト・ウィンスレットじゃなく、ね。あ〜紛らわしい。この映画の面白さは以前のブログでもとりあげたのですが、最近また字幕版で観て、あーそうだったのか!と非常に大事な点が全く抜け落ちていたことに気が付きました。飛行機の中の吹き替え版で観たので、じっくり鑑賞していなかったのです。
『ブルー・ジャスミン』はウッディ・アレン監督節の軽妙洒脱な印象の作品ですが、実は少し怖い?、いや、かなり怖い話なのだと改めて思いました。
「一つの家族、一人の女の人生が壊れていく話」と思っていましたが、実はそうではなく、もしやこれは、一種のファム・ファタール(男を破滅に向かわせる、運命の女)の話なのではないか…と。
一見、セレブ階級のジャスミンの生活が、セレブ特有の浮ついた「生」によって見事に崩れていく様と、その後のジャスミンのあがきを描いています。
でも本当は、虚栄の塊であるジャスミンの掌の上で、浅はかで軽率な夫は、実は彼女の思うように踊らされていたのかも知れません。「彼女は最初からファム・ファタールであった」と思う方が、この人物のパーソナリティの奥行きと陰影を捉えている気がします。
男性も、女性も、勉強になると思います。

春はあけぼの…
2015年04月07日
ならぬ、
春は山々…
この時季、山は山桜のピンク色と芽吹きのうぐいす色に染まり、眺めているだけで若々しい気持ちになります。あ〜、いつまでもこういった気持ちは忘れたくないな。

ぼけ〜っとしてカメラを忘れたので何とも粗い画像ですが。
『mama』
2015年03月29日
東京で桜が満開となったとか。混雑を思うと観に行く気力も湧かないのですが、やっぱり心はそぞろきますね。
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さて、もうすぐでもないけれど、そう遠からずやってくる母の日(この日は別にいいのですが)にちなみ、「母」を扱った娯楽映画をご紹介。それはアンディ・ムスキエティ監督の『mama』(2013年、加・西)。そのものずばりママ。制作総指揮は私の好きなギレルモ・デル・トロ監督で、映画好きの方ならご存知、ホラー映画が多い監督です。
そして『mama』もホラー映画。ギレルモ監督(デル・トロ監督という方が正しいのか?)が制作に関わったホラーは、そこら辺のむやみに残酷で気持ち悪いだけのものではなく、またストーリーの安っぽいものでもありません。ホラーでよくある、亡霊が生きている人をやたらと残酷に襲う、祟る、という設定は、非常にその亡霊を冒涜している気がして好きになれないので真面目に観ないのですが(例えば邦画の『呪怨』)、この監督の作品は「美しい」と思わせるところが違うのでしょうか。
恐ろしく、怖く、美しく、悲しく、情をしっかり描きこんでいるので心を打つのです。このmamaも悲しい人だなとつくづく思う。
内容は割愛するにしても、最後のシーンを観て思ったこと。一人の幼子の選択もしくは犠牲(?)によって、mamaが救われます。このシーンが何より悲しい。救われるのに(私はそう捉えているのだけれど)、激しく悲しくそして美しいのです。よくこんな落ちの作品を作れるなあ…と感心します。白か黒ではなくグレーでもなく、文字通り、分断です。(分断?ここでどう想像されるかは作品を観る方のお楽しみ。)
この映画で連想したのが、ワーグナー作のオペラ『さまよえるオランダ人』。幽霊船のオランダ人船長(腕が立ち傲慢だったため、神に呪われて生涯大洋を漂うことを運命づけられた男)の呪いを解くのは、乙女の純愛によってなのですが、このモチーフが『mama』にも転用されているのではないかと思うのです。船長の呪いが解かれるということは安らかな死を得ることを意味しますが、このmamaもやっと昇天できるのだと思います。これが男女の愛ではなく、育ての母と子の絆によって、なのです。
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年度末
2015年03月27日
桜が咲き始めたようですね。一輪だけ咲いているのをみました。
ブログを書こうと思っていましたが、いやはや後回しに…。明日にしよ。時が経つのは早い…。
両側性刺激
2015年03月17日
3日間お休みをいただいて神戸まで研修に行ってきました。
トラウマの治療理論と療法に関するトレーニングで、一言で表すと右脳と左脳に刺激を与えて記憶の再処理を促進させるというもので、大変興味深い有意義な時間を過ごすことができました。といってもまだ終わったわけではなくて、序章の序に過ぎず、これからも研修は続きます。
内容はさておき、神戸という土地を初めて訪れたことが新鮮で感動しました。とはいえ、何にも観光できなかった(涙)。初日に写真を撮りながら20分前に余裕で会場に着いたら、既に9割近くの人が着席しており、それからは気合いを入れ直しました。ガイドブックもマップも用意していったのだけれど…。
でもね、見知らぬ土地というのは楽しいものですね。今度来たとき訪れたいところを沢山見つけました。
↑ この花時計はどうして有名なのか?なんと季節毎に図案が変わるようで、この時は苺でした。わかるかな?神戸三宮は花壇がとてもきれいな街でした。
しかしなぜ関西はエスカレーターが左側通行なのでしょうか?これがどうも馴染めない。上りの新幹線を降りた途端、今度は右側通行にならなくてはいけない。関東の人が関西へ行って帰ってくるだけで、十分右脳と左脳を使っているような気がしました。(冗談ですが。)
松谷みよ子さん
2015年03月11日
先日、児童文学作家、民話研究家の松谷みよ子さんが他界されたことを知りました。
子どもの頃、何度も何度も読んだ『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズ。幼い姉妹が日々成長していく様子を綴っているのですが、人間以外の登場人物が出てくるファンタジーの要素も十分ある物語でした。ファンタジーといってもそれは奇想天外、突飛なものなどではなくて、あくまでも子どもたちが日常考えていそうな範囲内のものや、アニミズム的なものであったように記憶しています。
またこの物語は、それまで児童文学ではタブーとされてきた両親の離婚が描かれていました。妹のアカネちゃんがまだ幼少期に両親は離婚してしまいます。どうして別れたのか大人の事情は書かれていなかったかと思いますが、父親以外の3人は別の家へ引っ越していきます。モモちゃんとアカネちゃんとママを乗せた引っ越しの車を、パパが肩を落として寂しそうに見送るシーンの挿絵をよく憶えています。
当時ものすごく悲しくなってしまったけれど、別れというものは時として避けがたく起こりうるものなのだ、ということを衝撃をもって知らされたお話でもありました。松谷みよ子さんの世界は、陽だけでなく陰の部分をしっかり取り上げたものが多いと思います。だからこそあんなに多くの子どもたち、大人たちに読まれ継がれているのでしょうね。
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