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ブログ 心's LOOM

2014年の桜

2014年04月01日

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映画のなかの女性たち

2014年03月23日

一体、何が回復に役立ったのだろう?
まあ、フィクションのなかの話に過ぎないのだけれど、そういった観点からよく映画を楽しみます。

ヒステリーという疾患をご存知でしょうか。それならば、うちの妻も、母も…という声がちらほら聞こえてきそうですが、実は性格のことではなく身体化障害や転換性障害といった精神疾患のことを指します。それらの説明はさておき…。

先日『博士と私の危険な関係』という劇場未公開のフランス映画を wowow で観ました。邦題はなんだかあららーと思いますが、原題は『AUGUSTINE』(オーギュスティーヌ)。主人公の女性の名前で、ある家に仕える若い召使いの話です。そして博士とは解剖病理学の神経科医シャルコーのこと。オーギュスティーヌはヒステリーの入院患者で、つまりシャルコーとオーギュスティーヌの関係のお話なのですね。

wowow による映画解説は、シャルコーとオーギュスティーヌの医師と患者の禁断の恋愛もの、のようにドラマティックで歪んだものになっていると思われますが、19世紀後半のパリの大規模な精神病院(サルペトリエール病院)を舞台にした、医師とヒステリー患者の関係を描いた歴史ものとして観るくらいがちょうどよく、あの当時はこんな風だったのかと世相や時代を知る面白い作品でした。(これは余談ですが、最近の映画の紹介文は、随分いい加減なものが多くなってきているように思います。)

さてこのオーギュスティーヌの症状とは。
けいれん、意識消失、半身の痛覚の消失、片手の拘縮・麻痺、片方の瞼が開かない、片耳の聴力が弱まる、といったものでした。原因が一般身体疾患とか薬物などの物質によらないもので、偽神経症状を伴うものであり、19世紀ヨーロッパで主に若い女性たちの間で流行していた病気でした。周知のように、シャルコーやフロイトらはヒステリー研究で有名です。

なぜ、解剖病理学の神経科医と精神疾患が結びつくの?という疑問もあると思うのですが、映画を観る限りではシャルコーは患者の心を診るのではなく、体中に線を引いたり反射や痛覚を調べながらと体を丁寧に診ているのです。神経疾患との鑑別をしていたのでしょうか。フロイトなんかも初期はウナギの解剖をしていたことで知られていますが、まずは体の解明から入り、次第に心因性のものに関心が移っていくのですよね。

またシャルコーはヒステリー治療に催眠を使ったことでよく知られています。学者や医者なんかが一堂に会した場所で、ヒステリーの患者を連れてきて催眠をかけヒステリー状態を起こすのですが、治療というよりはもはやショー。ヒステリーが誘発されると一斉に拍手なんかが起きるわけですが、何とも同じ女性として見ていて痛々しい。本人は意識を失ってはいるものの…。

この映画が面白かったのは、オーギュスティーヌが段々見世物にされていくことに疑問を感じ始め、講堂を脱走したときに階段から転げ落ちたことがきっかけで突然治るところです。シャルコーは随分無愛想で医者然とした中年男でありながら、オーギュスティーヌの面倒をみて何となく心も傾いていくのですが、今一つ掴めない人。なぜあんな風に彼女や患者たちを見世物にしたのか…。オーギュスティーヌを聴衆の面前に曝すという、もっと大きいストレスを与えてトラウマを克服させたのでしょうか?

日本ではこんな感じに進まないだろうと思うのですが、やはりフランス。メイドであろうが患者であろうが、結構医者に対等にものを言うのです。そして最後は既に治っているのに聴衆の前でヒステリー発作のふりをしてあげて、医者に花を持たせる。主客転倒です。オーギュスティーヌが力をつけていったのか、それとも最後は別種の傷を受けてしまったのか、おそらく前者であると思いたい作品でした。


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あれから…

2014年03月12日

すっかりブログ更新が間遠になってしまいました。
気がつけば昨日は、震災からちょうど3年経った日。昨夜はいつもより長めのニュース番組でした。

今現在、全国に避難している人の数は約27万人とのこと。
復興への取り組みが報じられていましたが、人的物的資源が十分集まらないようで、6年後のオリンピックを前により一層東京にばかり集中するのではないだろうかと思われる内容でした。インフラ整備や人体に安全な環境作りが進まなければ人は住めないし、また物理的に住めるようになったとしても一定数の人が定住しなければ街は次第に住みにくくなっていく、ということを改めて気付かされました。

知っていました?例えば、人口が少ないと水道料金が上がるということを。水道事業体毎に経費が異なり、市民に跳ね返ってくる水道代が違うということでした。

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The mindful revolution in America

2014年02月16日

2度に渡る大雪、各地で様々な被害が出ているようですが、これ以上降雪がないことを祈るばかりです。

さて、先日のブログで予告した『TIME』誌によるアメリカのマインドフルネスの紹介記事について。

8週間に渡るトレーニングを記者が実際に経験し(1週間に1回、月曜日の夜に2-3時間行われるもの)、それを元に記事は書かれています。冒頭は有名な「一粒のレーズンをマインドフルに食べる課題」から。一粒のレーズンを五感をフルに使って味わうこの練習、なんだそんなことかと簡単でつまらなそうに思えますが…。

マインドフルネスとは、記事の言葉を借りるならば、「瞑想を含む、注意を集中させるテクニック、創造力と思考力のために心の空間を解放するための方法」となります。

東洋哲学や禅に由来するので感覚的にスピリチュアルな印象を抱きますが、「マインドフルネスは瞑想を含みますが、スピリチュアリティーとは一線を画します。注意や気づきを筋肉と同じように捉えるからです。筋肉がエクササイズによって鍛えられるように、トレーニングによって注意や気づきの力も高まっていくのです」ということであり、意識や注意を「今、現在」にとどめておく方法です。

では、この効用と言えば(なんだか温泉の効能書きのような…)、

コルチゾ-ルレベルを下げる(コルチゾールは過剰なストレスにより多量に分泌されるもの)
血圧を下げる
免疫力をつける
遺伝子発現に影響を及ぼす可能性もある
脳の構造自身にインパクトを与える
脳の神経の可塑性を高める可能性がある
ストレス・トラウマ・注意散漫が、心に引き起こすことを妨害する
作業記憶を高める

等だそうで、色々な数値で証明されているようです。

NIH(国立衛生研究所)の報告によれば、2007年には40億ドルものお金がマインドフルネス関連の治療に使われたとのこと。またIT産業のメッカであるシリコンバレーが、マインドフルネスのホットな場所になっているということでした。それだけでなく、国防にマインドフルネス・ストレス低減トレーニングを応用するという研究に多額の資金が投入されているようです。この辺りは倫理的に一体どうなのと思いますが、かなり熱いトピックであることが伝わってきます。

出来ることなら私も8週のトレーニングを受けたいなと思いますが、各地で集団でやっていたらなんだかちょっぴり怖いような気がしないでもありません。時々公園で開かれている太極拳グループ、ぐらいに思えばいいのでしょうかね。


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The mindful revolution

2014年02月02日

お正月頃のNHK番組(白熱教室)で「幸福学」について取り上げていたものがあったらしく、かなりの方が観ていたようで興味深くそのお話をうかがっていました。

なんでも個人の幸福度に寄与するのは、

①思いやりをもった行動
②人との交流
③「今」に生きること

の3点だということです。(私の記憶に間違いなければ…。)

そのなかの③は、今流行りの「マインドフルに生きる」ということ。
過去でも未来でもなく、「今、現在」を心に留めながら生きることで、マインドフルネスはそのトレーニング方法で瞑想の一種のことをいいます。

さて、今日のブログのお題は2月3日号の『TIME』の表題。
The mindful revolution は「気づきの革命」とでもいったらいいでしょうか。アメリカ社会におけるマインドフルネスの取り組みについて特集が組まれていましたので、次回この辺りをご紹介したいと思います。

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大寒もまぢか…

2014年01月15日

ここのところとても寒いですね。
朝は地面に霜柱が立っているのがわかります。
体調管理、ココロの管理はいかがですか?

弁証法的行動療法のワークブックを読んでいたら、「情動の脆弱性を増大させるライフスタイル」というのがあり、わかりきったことであるものの敢えて書かれているところがとても面白いなと思いました。

過度のカフェイン摂取
過度のアルコール摂取
睡眠の問題
ジャンクフードを食べる
菓子・甘い物の多量摂取 etc….

身体だけではなく情動に影響を及ぼすところがポイントですよね。
私はこれに、(若い人たちの)温野菜不足、エアコンによる頭熱足寒も、多少なりとも影響あるのでは?と個人的に思うのですが…。


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あけましておめでとうございます。

2014年01月04日

2014年を迎えました。
新しい年をどのように過ごしたいのか…、年初に具体的な vision をもつことは大切だと思います。

visionなんかもつと初めから軌道を作るようで宜しくない、という記事を読んだこともありますが…。
まあ生き生きとその人らしく生きられればどのような在り方でもいいのでしょう。

河を眺めながら “ゆく河の流れは…” と思いを馳せた年始めでした。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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