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心理 東京
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ブログ 心's LOOM
The mindful revolution in America
2014年02月16日
2度に渡る大雪、各地で様々な被害が出ているようですが、これ以上降雪がないことを祈るばかりです。
さて、先日のブログで予告した『TIME』誌によるアメリカのマインドフルネスの紹介記事について。
8週間に渡るトレーニングを記者が実際に経験し(1週間に1回、月曜日の夜に2-3時間行われるもの)、それを元に記事は書かれています。冒頭は有名な「一粒のレーズンをマインドフルに食べる課題」から。一粒のレーズンを五感をフルに使って味わうこの練習、なんだそんなことかと簡単でつまらなそうに思えますが…。
マインドフルネスとは、記事の言葉を借りるならば、「瞑想を含む、注意を集中させるテクニック、創造力と思考力のために心の空間を解放するための方法」となります。
東洋哲学や禅に由来するので感覚的にスピリチュアルな印象を抱きますが、「マインドフルネスは瞑想を含みますが、スピリチュアリティーとは一線を画します。注意や気づきを筋肉と同じように捉えるからです。筋肉がエクササイズによって鍛えられるように、トレーニングによって注意や気づきの力も高まっていくのです」ということであり、意識や注意を「今、現在」にとどめておく方法です。
では、この効用と言えば(なんだか温泉の効能書きのような…)、
コルチゾ-ルレベルを下げる(コルチゾールは過剰なストレスにより多量に分泌されるもの)
血圧を下げる
免疫力をつける
遺伝子発現に影響を及ぼす可能性もある
脳の構造自身にインパクトを与える
脳の神経の可塑性を高める可能性がある
ストレス・トラウマ・注意散漫が、心に引き起こすことを妨害する
作業記憶を高める
等だそうで、色々な数値で証明されているようです。
NIH(国立衛生研究所)の報告によれば、2007年には40億ドルものお金がマインドフルネス関連の治療に使われたとのこと。またIT産業のメッカであるシリコンバレーが、マインドフルネスのホットな場所になっているということでした。それだけでなく、国防にマインドフルネス・ストレス低減トレーニングを応用するという研究に多額の資金が投入されているようです。この辺りは倫理的に一体どうなのと思いますが、かなり熱いトピックであることが伝わってきます。
出来ることなら私も8週のトレーニングを受けたいなと思いますが、各地で集団でやっていたらなんだかちょっぴり怖いような気がしないでもありません。時々公園で開かれている太極拳グループ、ぐらいに思えばいいのでしょうかね。
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The mindful revolution
2014年02月02日
お正月頃のNHK番組(白熱教室)で「幸福学」について取り上げていたものがあったらしく、かなりの方が観ていたようで興味深くそのお話をうかがっていました。
なんでも個人の幸福度に寄与するのは、
①思いやりをもった行動
②人との交流
③「今」に生きること
の3点だということです。(私の記憶に間違いなければ…。)
そのなかの③は、今流行りの「マインドフルに生きる」ということ。
過去でも未来でもなく、「今、現在」を心に留めながら生きることで、マインドフルネスはそのトレーニング方法で瞑想の一種のことをいいます。
さて、今日のブログのお題は2月3日号の『TIME』の表題。
The mindful revolution は「気づきの革命」とでもいったらいいでしょうか。アメリカ社会におけるマインドフルネスの取り組みについて特集が組まれていましたので、次回この辺りをご紹介したいと思います。
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大寒もまぢか…
2014年01月15日
ここのところとても寒いですね。
朝は地面に霜柱が立っているのがわかります。
体調管理、ココロの管理はいかがですか?
弁証法的行動療法のワークブックを読んでいたら、「情動の脆弱性を増大させるライフスタイル」というのがあり、わかりきったことであるものの敢えて書かれているところがとても面白いなと思いました。
過度のカフェイン摂取
過度のアルコール摂取
睡眠の問題
ジャンクフードを食べる
菓子・甘い物の多量摂取 etc….
身体だけではなく情動に影響を及ぼすところがポイントですよね。
私はこれに、(若い人たちの)温野菜不足、エアコンによる頭熱足寒も、多少なりとも影響あるのでは?と個人的に思うのですが…。
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あけましておめでとうございます。
2014年01月04日
2014年を迎えました。
新しい年をどのように過ごしたいのか…、年初に具体的な vision をもつことは大切だと思います。
visionなんかもつと初めから軌道を作るようで宜しくない、という記事を読んだこともありますが…。
まあ生き生きとその人らしく生きられればどのような在り方でもいいのでしょう。
河を眺めながら “ゆく河の流れは…” と思いを馳せた年始めでした。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
“絶景でげす”
2013年12月25日
↑ のセリフを聞いてピンと来る方は余程のファンの方かと…。
私も教えてもらった口なのですが、漱石の『坊っちゃん』に出てくるのですね。赤シャツと野だいこと坊っちゃんが釣りをしようと船で沖合へ出向いたとき、岩と松の小さな島が見える。海は凪の状態。
“絶景でげす。” と野だいこ。
そして野だいこは島をターナー島と名付けました。ターナーの絵のなかに出てくる松にとてもよく似ていたからです。
でげす、というのは四国の方言かと思いきや、どうも昔の男性言葉のようですね。芸人、職人、通人ぶった人が使った言葉とありました。響きが面白いし、さも絶景の感じがする。
今月、ターナー展最終日、無理矢理足を運んできました。漱石がロンドンで鑑賞し、『坊っちゃん』のなかで野だいこに言わしめたものは、下の作品ではないだろうかと説明書きがありました。美しい松の木です。こんな松の木が瀬戸内海の島々にはあるのでしょうか…。どことなくこの松、陸前高田のあの一本松にも似ている。あの松の木は今はどうなったのか…。
こんな話を書いたのは、お正月にでも『坊っちゃん』を読んでみようと思ったから。多分小中学生のとき以来。
坊っちゃんは今から見れば被虐待児であったし、後世に映像化されたものを見ると新米先生の奮闘記のように思われますが、実はかなり複雑な心性の人物だと思います。漱石は坊っちゃんに、「ターナーは何のことか知らない。ターナー島でなく、青島で結構…」というような冷めたことを、盛り上がる赤シャツと野だいこを尻目に心の内で思わせているのですね。
話す
2013年12月15日
年の瀬ですね。
丸の内でスノーホワイトの巨大ツリーを見かけました。
その帰り、電車が人身事故に遭い、1時間以上車内にとどまることになりました。
事故の詳細は一切知らないことを承知のうえで思うのが、クリスマス、お正月と世の中が浮かれるシーズンは、メンタルヘルスに携わる身としては少々複雑なシーズンであるということ…。
誰にも相談できずに悩んでいる人、孤独感や淋しさ、虚しさetc.に苦しんでいる人は、一人で抱え込まないで、思い切って身近なところの心理カウンセリングを受けられることをおすすめします。費用がなければ”いのちの電話”など、無料の電話相談をしている専門機関もあります。
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『ハンナ・アーレント』
2013年12月01日
たまには映画館で真面目なものをということで、神保町の岩波ホールで『ハンナ・アーレント』という映画を観てきました。この作品、岩波で久々の大ヒット作品のようで、昼の部のみならず夜の部もとても混んでいました。岩波は通常中高年の鑑賞者で圧倒的に占められるのですが、大学生くらいの若い人たちも多かった!
ハンナ・アーレントとはドイツ出身の政治哲学者・思想家。ユダヤ人女性で、ナチス政権下のドイツからフランスの収容施設を経てアメリカへ亡命し、様々な大学で教鞭を執った人です。
1960年、ナチス親衛隊の中佐であったアイヒマンが逃亡先の南米で捕らえられたことを知ったアーレント。アイヒマン裁判の傍聴を希望し、その模様やアイヒマンという人物についての考察をアメリカの雑誌に掲載します。その内容のために、ユダヤ社会から猛反発をくらい四面楚歌の状態になっていく。精神的、社会的に追い込まれながらも、ものごとを理解しようと懸命に努め、気丈に主張していく女性でした。
アーレントは、600万人のユダヤ人を絶滅収容所に輸送したこの人物(アイヒマン)を、ユダヤ社会が望むような「極悪非道な人非人・悪人」としてみたのではなく、「むしろ上層部の意向に非常に忠実な、命令に従っただけの、思考を放棄した人物」として捉えました。彼は妻の誕生日には花を贈るような(この行為、ヨーロッパでは普通らしい)、ごく普通の人だったのです。
「あなたはユダヤ人を愛していないのか?」と親友に問い詰められ、「私は友を愛する」と答えたアーレント。
人物記としても非常に面白かったし、またアイヒマンの裁判模様は記録映像を使っているので、史実物としても大変興味深いものがありました。アイヒマンの「(組織や社会の仕組みは)どうせ変わらない…」という発言。何を言っても何をしてもどうせ変わらない…、という無気力な感じや閉塞感。これがアーレント言うところの「思考の放棄」なのかもしれない、であるならば自分を含め誰にでもあるものだ、と恐ろしさを感じました。
(彼女の著作は難解すぎて眠剤の役目を果たしてしまうので、こうして映画を観て学ぶのもありだと思いますが、よく知っている人に聞くと「映画は映画」。彼女の思想を必ずしも正しく伝えているわけではないようですが…。)
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この裁判の翌1961年に、以前少しブログに取り上げたことがある、ミルグラム,S.のアイヒマン実験という社会心理学史上有名な心理実験が行われました。ご興味のある方はミルグラム教授の書いた著作『服従の心理』をお読みになればと思いますが、この実験を一言で表すと(妥当性の問題を残しつつ)、「人は簡単に権威者の命令に従って残忍なことができる(暴力的な役割を遂行できる)」というものでした。
↑ 昨年末の東京駅