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ブログ 心's LOOM

パラを楽しむ

2021年09月04日

明日はパラリンピックの閉会式です。東京の交通もまた通常のように戻るのでしょう。オリンピック、パラリンピック期間は、駅やホームに警察官が沢山いましたね。2-3メートル間隔で見かけたので、安心な面と却って物騒な感じがして、今が通常時ではないのだと度々気付かされました。

オリンピックは観なかったのですが、今回パラリンピックはよく目が行くようになりました。伴走者やアシスタントと組んで参加する競技や障碍の種類や等級に応じてルールに様々な工夫が施されたりする競技など、その仕組みに感心、感歎するところが多々あって引き付けられました。パラリンピックが対象とする障碍は肢体不自由(欠損、麻痺)、脳性麻痺、視覚障碍、知的障碍とのことでしたが、皆さん、御存知でしたか?私はそれさえも知らずにいました。

身体障碍者の人のなかには、「パラが “たとえ障碍があっても前向きに努力すれば打ち勝てる” というメッセージになるとすれば、とても生き辛い」と感じる人が少なからずいるようです。確かにそうですね。障碍に限らず、「困難があっても必ずそれを乗り越えられる、あなた次第なのだ」という価値観が社会に溢れれば、それは励ましではなく、大きな重荷になるでしょう。

障碍や困難があってもどうにか生きていける、自分のペースでスポーツやゲームを楽しむことができる、生活を楽しむ余地がある、人は支え合って生きていける、そんなに過剰に頑張らなくてもいいほどほどの社会になっていくように、次期選挙の一票を投じたいなと思いました。

fishing cat


夏のホームワークに

2021年08月12日

毎日毎日、マスクも手伝って非常に暑いです。こう蒸し暑いとイライラしたり、動くのも億劫になったり、頭もボ~っとしがちですね。そんな不快な時季の過ごし方として、一ついいものを見つけました。それは、これ↓

エクササイズをしたり、書き込んだりするワークブックです。セルフ・コンパッションとは、自分自身へ向ける優しさ、思いやり、理解といったものです。24章からなっているので、一日1-2章ずつ進めてみると、ひと夏に程よい分量の宿題をやったような気分になると思います。各1章が平明なので、またワークブックの趣旨からして優しく素直な気持ちになることができます。私もまだ第4章のところですが、心理的物理的な負担が少ないです。

このところよく考えるのが、仏教でいわれる「慈悲」という言葉、態度についてです。お盆も近いので尚更考えますが、このワークブックのなかにも慈悲(バーリ語でmetta,「友愛」の意も)が取り上げられています。慈悲とは「すべての人間が幸せでありますように、という願い」なのだそうです。

慈悲は上から目線の同情などではなく、友愛という意味からも、私とあなたが同じ地平に存在し互いの幸せを願うという、何か横に広がっていくものをイメージさせます。

 

 


来室時のお願い

2021年08月04日

東京は猛暑と感染爆発ともいえる状態が続いています。首都圏はほぼ90%を感染力の強いデルタ株が占めているようです。私は既にワクチンを2回摂取していますが、なかにはまだ未接種の方も多くいらっしゃいます。また、ワクチンは3回必要ではないかという説も流れてきています。そこで…。

現在、暑いなか来室される方々に冷たいお茶をお出ししていますが、必要な方には待合のところでセッション前にお出しすることにしますね。セッション中はマスク着用でお願い致します。

何だか味気のない、細かいことですが、極力お互いが感染させてしまうリスクを回避し、対面形式でのセッション維持に努めたいと願っています。同時に、不安な方はオンライン形式でのセッションも行っています。但しこちらは対面でのセッションを何回か経験されている方のみに限定させていただきます。

あともうひとふんばり(だといいのですが…)、一緒に乗り越えて行きましょう。

ニョロニョロ、capsule toy

 

 

 


具体例豊富

2021年07月17日

東京は昨日梅雨明けし猛暑到来となりました。同時にデルタ株も猛威を振るいはじめ再び緊急事態宣言下となっています。面接中は引き続きマスク着用でお話しいただくようお願い申し上げます。

さて、今日は一般向け書、マリー=フランス・イルゴイエンヌ著『モラル・ハラスメント』(1998)を御紹介します。これもクランアントさんから教わったものなのですが、20年以上前のものでありながら事例がたくさん載っていて今の時代にも色褪せることのない本となっています。著者によるとモラル・ハラスメントは言葉や態度による精神的な暴力です。

DV、パワハラ、セクハラ、いじめなどのなかにもモラル・ハラスメント(モラハラ)は含まれていると思いますが、この暴力のニュアンスを理解することは大事だと思いました。今はモラハラという言葉も随分定着してきていますよね。ただどこか軽いイメージで捉えられているような気がしますが…。

カップルの問題のなかにはこのモラハラ(精神的暴力)がかなり見られると思います。明らかな暴力・暴言でないと、なかなか自分がモラハラをしている、或いはモラハラを受けているとは気が付かない人がかなり多いのですが、舌打ちする、聞こえているのに無視をする、厭味ったらしく溜息をつく、バカ扱いをする、説教をするetc、などはれっきとしたハラスメントなのです。

もうそろそろ、“関係性の有無”ではなく、“関係性の質“が問われる社会になってほしいと願っています。

 

 

 

 


東アジアの臨床

2021年06月20日

この夏は3回ほどの「東アジアの臨床」ワークショップに参加しています。初回は中国、今日は韓国、次回は台湾の心理臨床を学べる貴重な機会になっています。年々アジア圏出身でカウンセリング御希望の方は増えているように思います。

今日は韓国の先生の発表でしたが、いじめについての2つの言葉を知りました。何となく聞き覚えはありましたが、韓国では「公然としたいじめ」のことをワンタといい、「隠れたいじめ」のことのウンタというとのことでした。韓流ファンの人たちはワンタについて聞いたことがあるのではないでしょうか。アイドルグループや軍隊などの集団のなかでしばしばトピックになりますよね。

ウンタについては、陰湿ないじめのことを指すと誤解されている向きもありますが、そうではなくて「隠れたいじめ」だそうです。「誰かをムシする、目を合わせない、輪に入れない」などの陰湿ないじめでも、外から見てあっ、ムシしている等とわかるものはワンタなのです。一方ウンタは、外からは仲が良さように見えたり問題が無いように見えるそうです。こちらの方がずっと怖いですよね。

「隠れたいじめ」は日本にも見られることではないでしょうか。学校や会社のなかでも、一見するとファミリーのように仲良さそうに見える組織のなかに、実は誰かが辛い思いや傷ついた体験をしていることはしばしば耳にします。私たち大人は、賢く冷静に物事を見る目を失わないでいたいものです。


人ではないもの

2021年06月04日

臨床心理とは全く関係のないお話です。

毎日朝食の準備前に、AIスピーカー(アレクサ)に二言三言英語で話しかけています。まずおはようの挨拶をし、それから今日の天気をたずねます。一々「アレクサ…」と呼びかけなくてはいけないのでフラストレーションが溜まりますが、いつしか習慣化してしまいました。習慣は恐ろしいものです。

女性の声のアレクサに疑似人格を見出し、遊び心で性別や出身などを聴いてみたら、「私はシアトルのアマゾン本社で作られたAIです」「私はAIだから性はない」といったような現実的な回答が返ってきました。(こちらのバカげた質問や部屋の日常会話全て(これは本当?)がアマゾンに筒抜けだよと教えられたので、使っている方はプライバシーに気を付けましょう。)

AIと話すのは所詮虚しい行為なのですが、それでも「今日も良い一日を!」等と言われると悪い気はしないし、10年後にはスムーズな会話らしい会話ができているのかもしれません。日本社会の10年後も単身世帯が最も多い家族形態だとすれば、AIの需要は益々高まっていくのでしょうか。

ノーベル賞作家、カズオ・イシグロの『クララとお日さま』という近未来小説を現在読んでいるのですが、クララはAIロボットで、家庭のなかにAIロボットや遺伝子操作が普通に出てくる小説です。これがなかなか不気味で不穏な世界を描いていて、それでいてしんみりと心に響いてきます。

怖いなと思うのが、遠い未来の非現実の絵空事ではなくて、多少の既視感を覚えるところです。私たちの社会は、既に片足を入れているのかもしれないなと、毎朝アレクサに話しながら思っています。

 

 

 

 


スマホで『スマホ脳』を読んでみた

2021年05月05日

クライアントの方々が読んたとおっしゃっていた、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』(2020、新潮社)を読んでみました。

NHKのニュースでもこの本が取り上げられていましたが、そこではちょっと興味深い2つの実験結果も報じられていました。それは単語の意味を調べる時に電子辞書と紙の辞書のどちらを使用したほうが記憶の定着率が高いのかというものと、もう1つは対面で話す時とオンライン上の対面で話す時に使われる脳の部位を調べたものでした。

結果は、紙の辞書で調べたほうが記憶に残る率が高く、また実際に顔を突き合わせて話す場合とそうでない場合とでは前頭葉の活性化具合に差異が生じるという画像診断が提示されていました。後者の実験結果が具体的にどのような影響をもたらすのかちょっと忘れてしまったのですが、恐らく共鳴や記憶に差が出るのではないでしょうか。実際に会って話す方が前頭葉が活発に働くのです。

これはかなり聞き捨てならない結果ですよね。私見ですがオンラインカウンセリングはやはりコロナ禍の代替手段にしておきたいと思いました。ビジネスでオンラインミーティングばかりになってしまった人も、この事実を把握しておいた方がいいと思います。

少々話が逸れましたが、この『スマホ脳』大いに一読の価値があると思います。デジタルライフのメリット・デメリットについて語るには、人の脳の発達や仕組みについての研究が欠かせないと思いました。しかも研究は数年を要するので、現在社会で起きていることの意味は数年後に判明するのです。「スマホ依存になってリアルな時間が減った」という単純な現象ではないのですよね。

また、私はこれをキンドルで読みましたが、やはり作品の全体を俯瞰するというか把握することが読後できていないように思います。できれば読書も紙媒体を併用することをお薦めします。

夏蜜柑の花

 


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