2020年05月31日
5月も最終日を迎えました。早いものです。
2月まではどうにか研修にも遠出できていたものの、3月以降は息をひそめてキュッと縮まって生活していたなあ…と、今になってその頃のストレスを感じ始めています。自粛ができるのは日本人の美徳なのかもしれませんが、「外に出るな」という相互監視のような空気をひしと感じていました。
その一方で、街全体がほぼ眠っている環境で生きていくことが、楽だな…と思う面もありました。日頃のヒトとモノと情報と雑音の過多にいい加減疲れていたのかもしれません。
今、一応緊急事態宣言は解除されたものの、種火がちょろちょろと燃えているような不安な状況が続いていますね。引き続き控えるところは控え、それでも可能な範囲で自律的な暮らしをしていきたいと考えています。
2020年05月29日
周知のとおり東京も26日から緊急事態宣言が解除されました。
街も駅も人が増えてきていますが、そうはいっても以前とは異なります。使用する路線によって事情は違うのでしょうが、テレワークが進んだためか通勤ラッシュはあまり見られません。
「経済か人命か」と二項対立で語られることがありますが、経済活動が人命や健康に直結する場合も既にあり得るのです。
精神分析の北山修先生が、「経済と人命と心」を同時にみていかなくてはいけないと先日述べておられました。あれかこれかではなく、あれもこれもそれもと、同時に三項を考慮する必要があります。「心」とは「人心」、つまり個人の心理と社会集団の心理、両方がこの状況下において考えるべき大事な事柄なのだと思いました。
2020年05月10日
オンライン飲み会をしてみたら意外と楽しかったという話をよく聞くようになりました。
私はまだ未経験なのですが、仕事においては確実にonlineのものが増えてきました。同業者同士のミィ―ティングやクライアントさんに対するzoomやスカイプでのカウンセリングをはじめ、先日は自分のための心理療法をスイスの先生から受けました。
対面カウンセリングができない方には代替手段として電話カウンセリングを主に行ってきましたが、今後はスカイプでの提供も安定してきましたので電話カウンセリングをお受けになる方にはそちらも提案させていただきます。ただし、どういうわけかスカイプの私の音声が聞こえないという現象が幾つか発生していますので(こちらには皆様の音声と映像が届くのですが)、当日電話かzoomに急遽変更という場合もあります。zoomについてはソフトの脆弱性が指摘されていますが、日々補強されていると思いますので使用しています。
電話カウンセリングもオンラインカウンセリングも対面カウンセリングと遜色ないとされる専門家の方もいらっしゃると思いますが、私はあくまでも代替手段として使っています。直接、場を共有して、非言語の伝わってくるもの、感じられるものを大事にしたいと思うからです。
とはいえ世界はこの事情です。IT関係者のある方は「コロナ後も人々の生活は“非接触”型になるだろう」と嬉しそうに語っていました。私の根拠のない読みではコロナ収束後当面は非接触が続くがいずれ人々はonlineに飽きるだろう…となっているのですが、しかし当面に対処しなくてはいけません。
というわけで自分でもonlineで心理療法を受けたりして経験値を積もうとしていますが、まあ、やはり対面とは全く違う。普通のカウンセリングやコンサルテーションはonlineでもカバーできそうですが、催眠などを使った心理療法はあまり向いていませんね。モニターのなかの心理療法家はやはり遠いのです。セッションタイムが切れた後は、1人部屋にポツンと残される、何とも言えない孤独感があります。
画面が50インチくらいになると違うのでしょうか、等身大だといいのか、そういう問題ではないのか…。SF映画のように人物だけが空間に出現できて、触れてみるまでは映像だとは分からない、となればまた異なるのかもしれません。
2020年05月02日
不自由な生活になって間もなく一月になります。
更に一月延びるようですが、鬱々と気力が湧かずに過ごされている方や、反対に今の方が生き易い、楽だと感じている方もいらっしゃれば、コロナ前後で生活が本質的には変わらないという方もおられます。コロナ前のライフスタイルによって影響は様々なのでしょう。
いずれにせよ、想像力を働かせて今一度、社会を見詰め直してみる時間を与えられているような気がしています。自分や自分が関係する集団以外の状況に、個々人のおかれた状況に、想像の翼を羽ばたかせてみることは大切なことだと思いました。
2020年04月23日
今朝、ああそうだな…と思った言葉をここに記します。
それはある作家が新聞上で言っていたことです。
〝自分がコロナに罹るかもしれないと恐れていれば、他人が化け物にみえてくる。自分がコロナをうつすかもしれないと恐れていれば、他人が人にみえてくる〟
コロナは無症状でも感染している可能性があるといいます。また至近距離で大きめの声で話すと、咳やくしゃみをせずともエアゾル感染(飛沫感染ではありません)をする可能性があると言われています。向き合って食事をとれば話さずとも飛沫感染する可能性もあるそうです。
カウンセリングは電話カウンセリングも増えてきていますが、フィジカルディスタンスをはかり窓を開けながら対面も継続して行っています。ただお願いしたいのは、セッション中のマスクの着用です。マスクはあくまでも補助でしかありませんが、少しでもお互いのリスク軽減をはかりたいので、対面を希望される方はマスクの着用をお願い申し上げます。
2020年04月19日
いいお天気の日曜日となりました。
一人でゲームやスマフォをいじるしかなくて淋しい、気持ちが沈んでしまう、家族が四六時中顔を合わせ一日中家事や育児で疲れてきた、イライラしてしまうという方も多くいらっしゃることでしょう。御家族で暮らしている方は妻や母任せにしないで協力して家庭を切り盛りしているでしょうか。
今日は家での過ごし方2として、先日のウェビナーで知り得た「注意の向け方を変える」方法をシェアしたいと思います。まあ、色々なところで重ねて言われていることなのですが、以下のようなことを試してみましょう。
1湯船につかる
どうしようもなくイライラしたり気が滅入ったら、昼間でもいいのでバスタブにお湯を張ってゆっくり浸かってみましょう。入浴剤を各種用意しておけば楽しいかもしれません。
2料理をする
四六時中料理を作らされている人には全く気分転換になりませんが、一人暮らしで普段していなかった人はいい機会と思ってtryしてみましょう。楽しさを再発見する男性たちが増えてきているように思います。
3古い物をリサイクルする
私の英語力不足で聴いていなかったのか、古い物をリサイクルに回すために整理するのか、古い物を取り出してきて再使用してみるのか、どちらかわからなかったのですが、どちらでもいいのではないでしょうか。はまれば面白そうです。
4エクササイズをする
ジョギング、ウォーキング、サイクリング、ストレッチなどをしましょう。懐に余裕のある人は家にエアロバイクを買ってルーティーンにしてもいいかと思います。ペットとお散歩できる人は羨ましい限りです。
5誰かのために何かをする
自分のためだけではなく、誰かのために何かをしてみましょう。募金ですか?と問われた方がいましたが、具体的に手先を使うような何かがいいかと思います。
6家の修理や整理整頓をする
7植物いじりをする
庭がなくてもベランダで育てたり部屋の中に小さな植物を置いて世話をすることができます。切り花を飾ってもいいかもしれません。
8音楽を聴いたり、演奏してみる
9小型機器を買う
懐に余裕のある人は何か好きなものを買ってもいいかもしれません。余裕が無くてもヤフオクやメルカリが今ならあるか。自分なら何か…、ハンディクリーナーか、ちょっと違いますが鰹節削り器と鰹節がほしいかな。ミキサーに色々投入して栄養ドリンクを作って飲んでみるのもいいかもしれません。
10写真の整理をする
但しトラウマを想起させる場合もあるのでこれは注意が必要です。
11学習をする
資格試験や語学などの勉強をする。語学学習はお薦めです。例えばラジオは朝夕と二回放送されますし放送分をネットで幾らでも再生できます。高いお金を出さずともテキストも月1コインで買えます。
12何かものを書いたり、絵を描いたりする
13電話やオンラインで誰かと連絡を取ってみる
14タスクリストを作ってみる
etc.
気持ちを変えたいときにはお風呂かエクササイズ、つまらないことを考えたくない場合は手先を使うとそれに集中できるので、下手な考えをせずに済みます。私が実際にやっていることはチクチク何かを縫ったりチマチマ折り紙を折ったり植物いじりなどをしています。
静かに読書をしたり一日中家にいてもさほど苦痛じゃないという人もいらっしゃいますが、一つのことに飽きてしまい堂々巡りの思考の世界へ埋没してしまう人もいるので、ローテーションを組んで色々試しながら生活してみるというのがいいかもしれません。
コロナ後の社会を想像してみても、働き方とか社会の在り方や人々の価値観などが恐らく変わっていくのではないでしょうか。
2020年04月16日
webinar(ウェビナー)という言葉をご存知でしょうか。
zoomのようなオンライン会議ソフトかと思っていたら、webとseminarの造語ということを初めて知りました。つまりオンラインセミナーなのですが、今回このコロナ状況下でイタリアやアメリカなどの心理療法家の方々の講義をオンラインで聴くことができました。各国の先生も御自宅から発信です。
多くの方が制限された暮らしをしていらっしゃるなかで、どうしたら心身共に少しでも健やか過ごせるのか、日々の臨床から気付いたことからも気を付けるべき点をシェアしたいと思います。
1、真の情報を手に入れる、センセーショナリズムに気を付ける
2、テレビを付けっぱなしにしない、一日に1,2回情報を更新するぐらいの気持ちでいる
3、ルーティーン(日課)を大切にする、日々に関心を持つ
睡眠、衛生、健康的な食事、運動、戸外に出ること、瞑想、趣味、電話やオンラインで規則的に誰かと繋がるetc.
4、ユーモア、遊び心を忘れない
クライアントの方々に多く見られるのが、テレビを付けっぱなしにしていることが多く、益々不安を掻き立てられているように思います。不安を感じるのは自然なことですし、不安は状況の解決へと導いてくれるものですが、過剰な不安は様々な問題を生んでしまいます。
たまに買い物に行く以外、怖いから全く外に出ないという方もかなり見受けられます。ソーシャルディスタンス(約2m)を保ちながら、戸外に出て、風にあたったり、地面を踏んだり、歩くことは欠かせないと思います。5-10分でもいいので続けるようにしましょう。
それから真の情報に接するというのは大切で、先日も自治体のトップがデマLINEを拡散してしまったというニュースが流れました。私にもその拡散希望のLINEが届きました。扇情的な内容のものに触れることによって冷静さを失わないようにしましょう。
また、この未曽有の出来事においては、すぐに真偽が判明しない、白黒つかないグレーの状態に置かれることも沢山あります。答えをすぐに求めないという柔軟な態度も、情報に振り回されないためには大事であると思います。
家の中でのより具体的な過ごし方は後日また書きますね。
最後に何よりも、この状況下においてこそユーモアと遊び心を忘れずにいましょう。