2020年04月08日
昨日、東京都において緊急事態宣言が発令されました。今後のカウンセリング業務について方針を改めて申し上げたいと思います。
営業は以下の点を踏まえたうえで基本的に続けます。
①完全予約制であり各面接時間の合間には室内の喚起及び消毒を徹底します。
②カウンセラーとクライアント間の距離は1.8-2mを保ち、マスクを着用させていただきます。
③クランアント様においては来室時に備え付けのアルコール消毒と各自のマスク着用をお願い申し上げます。
④場合によって、新規のクライアント様以外、電話カウンセリングまたはオンラインカウンセリングに切り替えます。
⑤熱など具合の悪い方の御利用はお控えください。そのような場合、宣言が出されている間は当日キャンセルも受け付けます。
このようなストレスフルな状況のなかでも、人によってストレスのその度合いは異なります。一人暮らしの方やクリニック医療と併用されている方も多くいらっしゃいます。家にいる生活が長引くことで、親子や夫婦間の衝突が増すことも予想されます。公認心理師として何をすべきか、何ができるのかを考え、リソース(資源)の一つとしてあるべく営業を続けます。
ただ気を付けていただきたいのは、カウンセリングの行き帰りに繁華街(お店もあまりやっていませんが)を歩かない、人がお喋りしているような環境を避ける、食事で飲食店に入っても話さずに食べたらさっさと出る、などを徹底してください。行くところが無いためかスーパーが混んでいるようにも見受けられます。またNG行為ばかりではストレスが溜まります。散歩など人の密集していない屋外で適度に体を動かすことも大切です。皆様、それぞれに工夫をされて、自転車で移動される方も増えてきたように思います。できることをやって、守るべきところは守り、人への思いやりを忘れずに過ごしていきましょう。
2020年04月02日
毎日毎日コロナのニュースで鬱々とした気分になりますね。プライベートでも民間医療領域の対策話やロックダウンになるといった憶測が飛び交ったりと、COVID-19の実態が未知なもの故に仕方のないことですが、外は春の陽気に溢れているところが救いでしょうか…。
先日観たNHKスぺシャルで、インドネシアのスラウェシ島に生息する黒いサルたちは、歯を見せ合うことによって集団のなかで闘いが起きないようにしているというのが報じられていました。度々メディアに取り上げられ御存知の方も多いでしょうが、歯を見せる=笑い、に近い表情を作り出して友好を示しているということで、集団に不要な諍いを起こさない智慧として「歯を見せる笑顔」は大事なのだと感心しました。
今は外出時はマスク生活となっていますが、マスクの下や家のなかで笑顔の心掛けは無くさないでいたいものです。
ところでNスぺを観ながら、それはインドネシアのある地域で固有の進化を遂げた生物たちの特集(俳優が現地からナビゲート)だったのですが、世界が未知のウイルスと闘っているこの時期に微妙な何とも言えない気持ちになりました。
世界にはまだその存在を知られていないウイルスが沢山あり、むやみやたらと未踏の地に足を踏み入れてはならないということを生物学か何かで教えられたように思うのですが、一方で人類は自然のなかへどんどん分け入り、今やこうしてドキュメンタリー番組を楽しむことができてもいるのです。征服欲か知識欲か…、互いを知ろうとしない関係、知らないものとの共存というのは必要なのかどうか、或いはそんなことはもはや難しいことなのか、しばし考えてしまいました。
2020年03月29日
週末の不要不急の外出を控えてほしいという都知事の発表がありましたが、その週末も終わろうとしています。土曜日はとても暖かく、日曜日は朝から雪で冬のように寒い一日でした。
不要不急をどう捉えるのかは人様々で、要と判断して相談室に来られた方、こちらに電話をくれて確認された方、御自身の状況を踏まえ変更された方といろいろいらっしゃいました。
不要不急の外出自粛要請の段階では、こちらとしては相談室を開いておくつもりです。ただ、この先、公共交通機関がstopした場合など(それはないと思いますが)には、オンライン(zoom や skypeなど)でのカウンセリングを考えるつもりです。最悪の状況を迎えても、窮すれば通ず、となるように祈っております。
2020年03月26日
目に見えない脅威にさらされている今日ですが、それよりも人の言動のほうが厄介だなとつくづく思います。お昼休みに近所の小さなスーパーを見に行ったら、物が無いことに唖然としました。お肉も納豆もレトルトも缶詰めも兎に角ありません。千代田区界隈の買い溜めをしていない人たちは、流通は滞っていないと幾ら言われてもその日暮らしにきっと困ってしまうでしょう。野菜やパン、卵はあったので工夫をして過ごすしかなさそうです。
さて、前回のブログの続きとして、人が脅威に遭ったときの反応について書いておきたいと思います。
目の前の脅威に対する人の反応は、闘うfight、逃げるflight、凍り付くfleeze、解離するdissoiate、従属するsubmission、というのが主に挙げられます。fight and flight は闘争・逃走反応として、一括りにしてよく言及されます。
これと似たようなもので、脅威に出くわした時の反応を「5F」という頭文字で表現する場合もあります。fight(闘う)、flight(逃げる)、fleeze(凍り付く)に、frendly(フレンドリーに) と flop (相手に迎合する)だそうです。flop(相手に迎合する)は辞書で引くと「ばったりと倒れるetc.」のような意味合いですが、submission(従属する)に近いのでしょうね。段階としてfriendly → fight and flight → fleeze → flop と進みますが、このfriendly (フレンドリーに)とflop(相手に迎合する) の見分けが難しい場合があるとのことでした。
援助職が学ぶとき、しばしば森の中で遭遇する熊のイラストでこれらのことを学びますが、いきなり脅威が近づいてきたり出くわしてしまったら、まずはフレンドリーに振舞って何とか状況を宥めようとするかもしれません。5Fは段階を経て進む場合もあれば、人によってはいきなりfleezeしてしまったり、脅威が続けばflop状態になって危機を乗り越えようとする場合もあるでしょう。
ですので、DVや虐待などの被害者に、「なぜ逃げなかったの?」「なぜ抵抗しなかったの?」「なぜ誰かに言わなかったの?」と問うことがいかに意味のないことか、「あなたにも非があるのだよ」と言わんばかりに一層追い詰めてしまうことになるか、私たちはよくよく心に留めておく必要があります。
2020年03月13日
12日は気になっていた司法判決の日で、ひとまずは安堵しました。 それは実父による娘への性暴力の控訴審で、一審ではなぜか無罪になるという、裁判官の一般的な感覚と見識を疑う司法判断がなされていました。今回の判決に注目していた女性たちも多かったことと思います。一審判決を受けてフラワーデモなどが全国各地で行われ、女性たちが自分たちの尊厳と誇りのために少しずつ声をあげるようになっていきました。
抗拒不能(拒んだり逃げたりができない状態)という言葉を耳にしたり目にすることが増えてきましたが、トラウマ(心的外傷)を負った人が示す状態を理解していれば、抗拒不能であったとは必ずしも言えない、という愚かな判断にはならなかったことでしょう。
トラウマを負った人たちが示す反応や状態については機会を改めてまた書きたいと思います。とりあえず、様々な圧力の中で声をあげた人の勇気を称え、それが後に続いていくことを願っています。
2020年03月04日
連日報道されているように、新型コロナウィルスの蔓延が日本全国、世界規模になってきています。
今のところ、カウンセリングルームは通常通り営業しております。完全予約制であり不特定多数の方が訪れる場所ではなく、また各相談時間の合間にはドアノブなどの消毒を徹底しています。
待合のところには手指消毒剤を用意していますので、入室された方はワンプッシュ御使用していただけますと幸いです。相談室内でのマスクの着用は各自の判断にお任せします。セラピスト側がマスク着用をさせていただく場合もあります。
花粉症でもなく、熱や咳のある方は御自宅で静養をしてください。
私も含め、各自が出来る限りの対策をして、この逆境を乗り越えていきましょう。
2020年02月26日
淡路島、神戸での一週間の研修を終えて帰ってきました。政府により本日から2週間のイベント自粛要請が出されたので、その前にできて良かったと思っています。
今回は毎年恒例の自我状態療法の研修でした。自我状態というのは自分の心の内にある様々なパーツのことです。私たちは誰でも、仕事のときの顔と家族といるときの顔は違いますよね。あるいは、身内と接しているときの顔と友人と接しているときの顔も違います。色々な顔があるわけですが、心の内には様々な自分の部分やエネルギー様のものを持っているわけです。平たく言うならば、それらの部分(パーツ)たちと治療的な交流をしていくのが自我状態療法なのです。
研修においては、それとは別に個人セッション(セラピー)も受けなくてはいけないのですが、今回初めて延泊してドイツの先生の自我状態療法を受けてきました。取り上げる自分の問題を何にしようか悩んだ末に、長年苦しんでいる歯軋りを選びました。これは本当に厄介なもので、子どもの頃から延々と続く困りものです。歯医者さんも首を傾げるほどで、代々のマウスピースも気付けば放棄、就寝前の各種リラクゼーションでだいぶ薄れたものの、パスタを食べていて歯が欠けたときは本当に焦りました。
セッションでは歯軋りを引き起こしていると思われるパーツに会いに行きます。会いに行く方法や生じたプロセスは省きますが、大変興味深いセラピーなのですよ。こういう類のセラピーは私にとってはすぐに涙と鼻水が大量に溢れ出てきてそっちの方にも困りますが…。終わった後は、ホテルのロビーに降りて来て(セラピーは先生方の滞在していらっしゃる各部屋で受けます)、しばし放心状態でした。
坐ってぼんやりぼけ~っとしていたら、ちょうど他の個人セッションを受け終わった先生とお会いし、高いところ(高所)でご飯を食べようという話になり、そのホテルの高層階でメモリアルランチをご一緒してきました。それまでそんなにお話したことのなかった先生でしたが、日常(下界)に戻るのに必要な、デブリーフィングのような時間を楽しく過ごすことができました。ありがとうございました。
まだまだ個人セッションを受けないといけないし、やらなくてはいけないことが沢山ありますが、日々の臨床にどう組み込んでいくか、少しずつ考えております。